研究概要 |
NF1プロモーター・シスエレメントの解析に関する研究 COS7細胞に対してNF1promoter deletion mutantsをH-Ras(V12)とともにco-transfectionしたところ、すべてのconstructsでほぼ同様に7から9倍の上昇を認めたためRas-responsible elementが存在しない可能性が高いことがわかった。そこで,H9c2ラット心筋細胞を対象に心筋内のみで活性化するRas-constructにより細胞内Ras-GTPレベルが高く誘導されることが予想された。Optimization後、すべてのNF1promoter deletion mutantsをRasと共にco-transfectionしたところ約600bpの6Econstruct(-143to+474)で4.5倍という最高値をとった。 神経線維腫症1(NF1)患者に生じる悪性神経鞘腫瘍でのp53遺伝子変異に関する研究 8例のNF1に合併した悪性神経鞘腫瘍(以下MPNST)を対象にp53遺伝子変異解析ならびにp53免疫組織化学を施行。遺伝子解析はSSCP法とdirect-sequence法によった。結果は全例でp53変異は認めず、p53染色では一部の腫瘍細胞核に陽性所見を得た。これまでp53遺伝子変異は高い頻度で生じているといわれてきたが今回の結果からは異なる機序も考えるべきと思われた。 樹状細胞と腫瘍細胞の融合細胞を用いた悪性神経鞘腫瘍の免疫治療 1例のNF1に発生したMPNSTに対して患者末梢血より単核球分画を分離,GM-CSFとIL-4存在下で培養し得られた樹状細胞と300Gyの放射線照射で増殖能を喪失させた培養腫瘍細胞をポリエチレングリコールで融合させた.この融合細胞を2-3週間に1回、患者の鼠径部に皮内注射する予定であったが,一回目の注射後発熱のため中止となった.
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