研究課題/領域番号 |
09470195
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
窪田 和雄 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (40161674)
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研究分担者 |
岩田 錬 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助教授 (60143038)
山田 進 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (70182532)
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キーワード | 18Fフルオロミソニダゾール / 14Cメチオニン / 14C2デオキシグルコース / 腫瘍血流 / 低酸素細胞 / オートラジオグラフィー |
研究概要 |
低酸素細胞への親和性が知られている18Fフルオロミソニダゾール(FMISO)を、新しいOne pot vial法にて合成する方法を多田との共同研究により開発した。合成時間はおよそ80分、20%の収率で放射化学純度98%以上であった。ラットにより体内分布を調べたところ、肝臓・腎臓に高い集積があり、他の臓器への集積は低かった。正常臓器への集積は初期分布の後半減期2時間で指数関数的に減少した。AH109A腫瘍への集積は肝・腎の次で投与30分から2時間までほぼ一定でその後減少した。腫瘍対筋肉・血液比は2時間から4時間まで2であった。 次に腫瘍内分布を比較するために二重標識オートラジオグラフィー(ARG)をAH109A腫瘍を移植したラットに施行した。14Cメチオニン(Met)とFMISOの組み合わせのARGでは、Metの高集積部位ではFMISOの集積が低く、逆にFMISOの集積の高い部位ではMetの集積が低かった。14C-2デオキシグルコース(2DG)とFMISOでは、壊死の周囲でFMISOの高集積が目立つのに対し、2DGの集積は似ているもののFMISOよりも均一に腫瘍に分布した。ARG画像をCCDカメラにてパソコンに取り込み画像解析ソフトにより2種の薬剤の分布を定量的に解析した。MetとFMISOの間には明らかな負の相関関係があった。2DGとFMISOでは弱いで正の相関があった。Metの分布は血流への依存性が高く、血流が低く低酸素状態の細胞に親和性のあるFMISOの分布とは逆のパターンのARGを示したことから、両者を組み合わせることにより同一腫瘍内の異なる2種類の状態の細胞を描き分けることが可能であると考えた。
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