1998 年度実績報告書

ポジトロン断層による腫瘍放射線治療効果予知法の研究

研究課題

研究課題/領域番号	09470195
研究機関	東北大学
研究代表者	窪田和雄東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (40161674)
研究分担者	岩田錬サイクロトロン, ラジオアイソトープセンター, 助教授 (60143038)
キーワード	18Fフルオロミソニダゾール / 14C 2デオキシグルコース / 14Cメチオニン / 腫瘍血流 / オートラジオグラフィー / 低酸素細胞 / 99mTcMIBI
研究概要	低酸素親和性の18Fフルオロミソニダゾール(FMISO)の腫瘍内分布を、低血流・低酸素腫瘍モデルを新たに作成し14C-2デオキシグルコース(2DG)、あるいは14Cメチオニン(Met)と比較した。ラット両側大腿にAH109A腫瘍を作成、右側の大腿を圧迫し血流を低下させた。水素ガスクリアランス法で腫瘍血流を測るとおよそ1/4に低下し、電極法で測った酸素分圧はおよそ1/2に低下し、腫瘍は低酸素状態になった。FMISO,2DG,Metの低酸素腫瘍への集積を対照と比較すると、Metは54%に低下し2DGは73%に低下したがFMISOでは120%に増加し、低酸素細胞への高い親和性が示された。個々の腫瘍への集積の違いを調べると、FMISOの集積が高い腫瘍ではMetの集積が低く、両者には逆相関があった。FDGの集積はFMISOとは相関がなかった。二重標識オートラジオグラフィー(ARG)にて腫瘍内分布を比較した。MetとFMISOのARGでは、Metの高集積部位ではFMISOの集積が低く、逆にFMISOの高集積部位ではMetの集積が低かった。2DGとFMISOでは、壊死の周囲でFMISOの高集積が目立つのに対し、2DGの集積は似ているもののFMISOよりも均一に腫瘍に分布した。 Metの分布は血流への依存性が高く、血流が低く低酸素状態の細胞に親和性のあるFMISOの分布とは逆のパターンを示し、2DGは生存細胞すべてに取り込まれた。これらを組み合わせることにより腫瘍内の異なる状態の細胞を描き分けることが可能であると考えた。マウス乳癌モデルを用いて, scintimammogaphyに使用されている99mTc-MIBI(sestamibi)の腫瘍内分布を2DG比較する研究をおこなった。99mTc-MIBIは2DGと異なり、腫瘍細胞特異性の高い分布を示すことが予備実験で示された。

研究成果

(8件)

すべてその他

すべて文献書誌 (8件)

[文献書誌] Imran,MB,Kubota K,etal: "Lesion to background ratio in non-attenuation corrected FDGPET" Journal of Nuclear Medicine. 39. 1219-1223 (1998)
[文献書誌] Tashiro M,Kubota K,etal: "18F-FDG PET imaging of muscle activity in runners" Journal of Nuclear Medicine. 40. 70-76 (1999)
[文献書誌] Abe Y,Kubota K,et al: "A study of cisplatin,etoposide,OK432 and radiation therapy" International Journal of Clinical Oncology. 3. 365-369 (1998)
[文献書誌] Imran BM,Kubota K,etal: "Sclerosing mediastinitis:findings on FDG-PET" Clinical NUclear Medicine. (in press). (1999)
[文献書誌] Tashiro M,Kubota K,etal: "Hypometabolism in the limbic system of cancer patients by PET" Psycho-Oncology. (in press). (1999)
[文献書誌] Kubota K,Yamada S,etal: "Comparison of 18Ffluoromisonidazole,2DG,Met in tumor tissue" European Journal of Nuclear Medicine. (in press). (1999)
[文献書誌] 福田寛窪田和雄阿部由直: "PETによる放射線治療感受性の予測 In“癌の放射線治療"" 金芳堂, 154-161 (1998)
[文献書誌] 窪田和雄: "PETによる腫瘍診断 In“最新臨床核医学第3版"(in press)" 金原出版, (1999)

1998 年度 実績報告書

ポジトロン断層による腫瘍放射線治療効果予知法の研究

研究代表者

窪田 和雄 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (40161674)

研究成果

[文献書誌] Imran,MB,Kubota K,etal: "Lesion to background ratio in non-attenuation corrected FDGPET" Journal of Nuclear Medicine. 39. 1219-1223 (1998)

[文献書誌] Tashiro M,Kubota K,etal: "18F-FDG PET imaging of muscle activity in runners" Journal of Nuclear Medicine. 40. 70-76 (1999)

[文献書誌] Abe Y,Kubota K,et al: "A study of cisplatin,etoposide,OK432 and radiation therapy" International Journal of Clinical Oncology. 3. 365-369 (1998)

[文献書誌] Imran BM,Kubota K,etal: "Sclerosing mediastinitis:findings on FDG-PET" Clinical NUclear Medicine. (in press). (1999)

[文献書誌] Tashiro M,Kubota K,etal: "Hypometabolism in the limbic system of cancer patients by PET" Psycho-Oncology. (in press). (1999)

[文献書誌] Kubota K,Yamada S,etal: "Comparison of 18Ffluoromisonidazole,2DG,Met in tumor tissue" European Journal of Nuclear Medicine. (in press). (1999)

[文献書誌] 福田寛 窪田和雄 阿部由直: "PETによる放射線治療感受性の予測 In“癌の放射線治療"" 金芳堂, 154-161 (1998)

[文献書誌] 窪田和雄: "PETによる腫瘍診断 In“最新臨床核医学 第3版"(in press)" 金原出版, (1999)

1998 年度実績報告書

窪田和雄東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (40161674)

[文献書誌] 福田寛窪田和雄阿部由直: "PETによる放射線治療感受性の予測 In“癌の放射線治療"" 金芳堂, 154-161 (1998)

[文献書誌] 窪田和雄: "PETによる腫瘍診断 In“最新臨床核医学第3版"(in press)" 金原出版, (1999)