研究課題/領域番号 |
09470208
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
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研究分担者 |
田中 稔久 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10294068)
中村 祐 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70291440)
工藤 喬 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10273632)
竹田 潤二 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50163407)
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キーワード | アルツハイマー病 / プレセニリン / 小胞体 / ノックインマウス |
研究概要 |
昨年度我々は、大阪の家族性アルツハイマー病で見出された遺伝子変異(I213T)を持つプレセニリン1(PS1)遺伝子を相同組み換えにより相当するエクソン8に導入したknock-inマウスを作成に成功した。プレセニリンは小胞体(ER)に局在することが知られているが、ERにはunfolded proteinが蓄積するERstressが知られ、細胞死につながると考えられている。そこで今年度は、PS1knock-inマウスを用いて、PS1とERstressの関連について検討した。Knock-inマウスのうち変異がheterozygousに入っている雌雄で交配させ、胎生17.5日目に子宮より胎児を取り出し、初代神経培養細胞を調整した。5日間の培養の後、ERstressとしてtunicamycinを培地中に加え、細胞死をLDHrelease量で評価した。ERstressに対し、homozygous細胞はheterozygousやwild typeの細胞より脆弱であることが示された。この時のunfolded protein responseのひとつであるGRP78の発現は、homozygous細胞で抑制されていることが示された。この初代神経細胞にSemilki Forest Virusを)用いてGRP78を予め発現させてやると、homozygous細胞のERstressに対する脆弱性はwld typeとほぼ同様になった。これらの結果から、変位型のPS1は細胞のERstressに対する反応、特にunfolded protein responseであるGRP78発現を変化させ、細胞死に脆弱になるメカニズムが示唆された。また、GRP78の導入がアルツハイマー病の治療につながる可能性が得られた。
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