研究課題/領域番号 |
09470209
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田代 信維 九州大学, 医学部, 教授 (80037407)
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研究分担者 |
山田 尚吾 九州大学, 医学部, 助手 (70284502)
尾籠 晃司 九州大学, 医学部, 助手 (40211817)
久保 千春 九州大学, 医学部, 教授 (80117100)
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キーワード | 情動 / ストレス / 視床下部 / サイトカイン / コーピング / 神経免疫学 |
研究概要 |
1.実験動物の作製:ネコ視床下部に刺激電極を埋め込む手術を田代・山田が分担し、予備実験に必要な不穏行動が出現するネコを作製した。 2.行動解析の準備:従来使用中の観察箱が破損したため、ビデオ等の装置一式を含めた観察箱2個(今回購入)を新規に購入し、ネコにスイッチ切り行動を学習させた。ネコは電気刺敵により不穏行動を表出し、鼻先でスイッチを押して刺激を回避する「スイッチ切り行動」を容易に学習した。頭部に通電中点灯するランプを設置し、その軌跡を学習箱に付属するビデオカメラで録画し、行動分析装置(現有)で運勧量や行動の方向性を分析できるようにした。以上は田代・山田・尾籠が分担した。 3.免疫学的測定の準備:これまでの研究で、ネコでCD4およびCD8陽性リンパ球数、CD62L・CD11a・CD49d等の接着分子については、測定する方法を確立してきたが、今回はさらに臨床応用に重要なサイトカインを測定するための予備実験を田代・久保が担当した。コストを削減するため、市販されているヒトのサイトカインに対する抗体を使用し、96穴マイクロプレート用自動吸光度計(今回購入)およびマイクロプレート用オートミニウォッシャー(今回購入)を用いて、酵素免疫測定法(ELISA法)にてネコ血清中の各種サイトカインの検出を試みた。その結果、TNF-α(腫瘍壊死因子)とIL-12(インターロイキン12)について測定することに成功した。さらに、不穏行動の出現するネコを用いて予備実験を行った ところ、刺激の終了後2時間から4時間にかけて、TNF-αが上昇し、一方IL-12は変化しないことがわかった。 以上の結果をふまえ、来年度はスイッチ切り行動の有無が、CD4およびCD8陽性リンパ球数、CD62Lなどの接着分子発現、TNF-αなどのサイトカインの変化に及ぼす影響についての本実験を開始する予定である。
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