研究課題/領域番号 |
09470212
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研究機関 | 放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
須原 哲也 放射線医学総合研究所, 高度診断機能研究ステーション, 研究員 (90216490)
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研究分担者 |
中山 和彦 東京慈恵会医科大学, 精神医学教室, 助教授 (70155878)
村山 秀雄 放射線医学総合研究所, 高度診断機能研究ステーション, 研究員 (50166310)
原田平 輝志 放射線医学総合研究所, 高度診断機能研究ステーション, 研究員 (50181029)
大久保 善朗 東京医科歯科大学, 神経精神医学教室, 助教授 (20213663)
鈴木 和年 放射線医学総合研究所, 高度診断機能研究ステーション, 研究員 (90162932)
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キーワード | PET / セロトニントランスポーター / 5-HTIA受容体 / うつ薬 / 占有率 / 代謝 / [11C]McN5652-X / [11C]WAY100635 |
研究概要 |
我々は選択的リガンド[^<11>C]McN-5652-Xを用いて、実際に臨床で用いられている抗うつ薬が脳内でどの程度セロトニントランスポーターを占有しているかの測定を試みている。また抗うつ薬の中には、5-HT_2受容体にも親和性を持っているものがることから[^<11>C]N-methyspiperone(NMSP)を用いて抗うつ薬の5-HT_2受容体に対する効果の測定も同時に行なった。クロミプラミン50mgの服用前後における[^<11>C]McN-5652-Xの集積を比較すると特異結合部位である視床の集積が低下した。単剤の抗うつ薬服用患者に文書で同意を得た上、この低下の程度を薬物によるトランスポーターの占有率として計算した。治療量のクロミプラミン服用患者では50%以上のセロトニントランスポーター占有率があるのに対して、アモキサピンとトラゾドンではセロトニントランスポーターにほとんど影響が無かった。一方[^<11>C]NMSPの大脳皮質における低下の度合いから求めた5-HT_2受容体の占有率はクロミプラミンがほとんどないのに対し、アモキサピンは70%、トラゾドンで約30%であった。PETによる脳内トランスポーターおよび受容体の占有率測定は生体内での薬剤の特性を明らかにするだけではなく、その選択の理論的根拠も明確にできる点で臨床的に有用な指標であると考えられる。 5-HT_<1A>受容体はこれまでにうつ病との関係が広く研究されてきたが、我々はPEIによる5-HT_<1A>受容体測定を目的としてWAY100635の標識を行い、現在自動合成装置による製剤化がほぼ完成し、次年度より臨床応用を開始できる状態である。
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