研究課題/領域番号 |
09470216
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 信博 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40200729)
|
研究分担者 |
大須賀 淳一 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
原田 賢治 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
石橋 俊 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90212919)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
キーワード | M-CSF / 動脈硬化 / 泡沫細胞 / マクロファージ / 平滑筋細胞 |
研究概要 |
proto-oncogeneであるc-fmsは単球-マクロファージの分化、成熟、増殖を調節する因子であるmacrophage colony-stimulating factor(M-CSF)の受容体をコードする遺伝子である。この遺伝子はPDGF-b受容体遺伝子に隣接して存在し、正常の状態ではc-fmsは単球系にのみ発現して、血管平滑筋細胞などの間葉系の細胞には発現しない。これら2つの遺伝子は隣接して存在しながら、正常では共発現することなく、細胞発現の特異性を調節している。私共は、単球-マクロファージや血管平滑筋細胞が泡沫細胞化する際に両受容体が共発現することを始めて報告している。そしてM-CSF-PDGF作用を通じて細胞の形質転換、すなわち細胞の泡沫化が促されることを示唆した。特に最近、私共はc‐fms発現の転写調節を検討し、遺伝子上流に転写を抑制する部位と刺激する部位のあることを認め、転写因子PU.1、E2A、Id2の関与を報告している。 血管壁細胞の病的反応の背景には、細胞増殖に関与する遺伝子の正常な調節機構の破綻が存在すると考えられ、この隣接する二つの遺伝子発現やその調節機構の解析を通じて、血管壁における細胞の増殖や形質転換の機構を明かにしていきたいと考えた。c-fmsのノックアウトマウスやM-CSF過剰発現マウスを作製して、粥状動脈硬化症の形成過程におけるc-fmsの生理的意義やM-CSF作用を明確にしようと試みている。そして、ノックアウトマウスにおける、c-fms非存在時の細胞泡沫化機構を検討することにより、c-fmsと細胞泡沫化の関係とともに両遺伝子が隣接して細胞機能を調節する意義を明確にしたい。
|