研究課題/領域番号 |
09470219
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清野 裕 京都大学, 医学研究科, 教授 (40030986)
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研究分担者 |
久保田 章 京都大学, 医学研究科, 医員
山田 祐一郎 京都大学, 医学研究科, 助手 (60283610)
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キーワード | CRE / カルシウムチャネル / calmodulin-dependent protein kinase IV / PCR-SSCP / インスリン遺伝子 / グルコース応答性 / CRE-BPl |
研究概要 |
電位依存性カルシウムチャネルαサブユニット(α lD)遺伝子変異の有無を49個の全エクソンについてPCR-SSCP法で解析した。その結果、新たに第42エクソンにグルタミン酸(GAA)が欠失する変異を同定した。その変異は、918人のNIDDM患者のうち、3人で検出された。また、第1エクソンのメチオニン(ATG)挿入は、918人中2人で検出できた。 CRE(cyclic AMP-response element)に結合する転写因子であるCRE-BPlの発現を免疫染色法で認めた。そこで、インスリン遺伝子グルコース反応性における、CREとCRE-BPlの役割について、初代培養ラットラ氏島に遺伝子導入する系を確立し検討した。その結果、インスリン遺伝子に同定された4ヵ所のCREを一部変異させたところ、グルコース応答性は減弱した。また、CRE-BPlの転写活性化領域をGAL4のDNA結合領域と融合した蛋白を発現させたところ、その転写活性はグルコースにより誘導された。したがって、グルコースによるインスリン遺伝子発現亢進には、CRE-BPlの活性化が関与することが示された。また、calmodulin-dependent protein kinase IVの共発現により、CRE-BP1の転写活性能は増強された。これらの結果は、グルコースによるインスリン遺伝子発現増強には、グルコースによる細胞内カルシウム濃度増加がcalmodulin-dependent protein kinase IVを活性化しCRE-BPlをリン酸化し、インスリン遺伝子のCREに作用することが重要であることが示唆された。
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