• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

サイトカインレセプターのシグナル伝達系の活性化機構と細胞の癌化

研究課題

研究課題/領域番号 09470227
研究機関東京大学

研究代表者

北村 俊雄  東京大学, 医科学研究所, 客員教授 (20282527)

研究分担者 浅野 茂隆  東京大学, 医科学研究所, 教授 (50134614)
岩倉 洋一郎  東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
野坂 哲哉  東京大学, 医科学研究所, 客員助教授 (30218309)
キーワードサイトカイン / サイトカインレセプター / STAT5 / 転写因子 / アポトーシス / 分化 / 増殖 / IL-3
研究概要

我々は以前、PCRによる任意点突然変異をスクリーニングすることにより恒常的活性型STAT5転写因子およびMPL(トロンボポイエチンレセプター)を同定した。これらの活性型分子はいずれもIL-3依存性細胞の自律性増殖を誘導した。活性型STAT5は恒常的にリン酸化され、核に局在し、標的配列(β-caseinプロモーター)を結合して転写活性を上昇させることが判明した。さらに詳細な検討を行ったところ、この恒常的活性化は活性型STAT5においてリン酸化状態が安定に保たれることが原因と考えられた。また、マウスBMTモデルの実験で恒常的活性型STAT5が骨髄増殖性疾患(MPD)様の症候を誘導することが判明した。この原因がSTAT5の標的遺伝子OSMの過剰産生であることを考え現在マウスBMTモデルでOSM過剰発現マウスを作成している。
活性型STAT5の導入によって自律増殖性を獲得したBa/F3細胞を、IL-3で刺激すると逆にアポトーシスが誘導される。STAT5活性化によりpim-1、c-fos、OSM、CIS、JAB/SSI-1、p21など多くの遺伝子の発現が誘導される。我々はbi-cistronicベクターを利用してこれらのSTAT5標的遺伝子のうちJAB/SSI-1がアポトーシス誘導にかかわっていることを明らかにした。また活性型STAT5の導入はM1細胞ではマクロファージ系細胞への分化を誘導した。この分化誘導はM1細胞によるIL-6産生とSTAT3の活性化を介していることを確認した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Nosaka, T.: "Identification and characterization of constitutively active STAT5"Molecular Biology of Hematopoiesis 6. 277-287 (1999)

  • [文献書誌] Matsumura, I.: "Involvement of cyclin D1 in STAT5-mediated cell growth"EMBO J.. 18. 1367-1377 (1999)

  • [文献書誌] Nieborowska-Skorska, M.: "Signal transducer and activator of transcription (STAT) 5 activation by BCR/ABL is depedent on intact Src homology (SH) 3 and SH2 domains of BCR/ABL and is required for leukemogenesis"J. Exp. Med.. 189. 1229-1242 (1999)

  • [文献書誌] Nosaka, T.: "STAT5 as a molecular regulator proliferation, differentiation, and apoptosis in hematopoietic cells"EMBO J.. 18. 4754-4765 (1999)

  • [文献書誌] Yamada, K.: "Constitutively active STAT5A and STAT5B in vitro and in vivo : mutation of STAT5 is not a frequent cause of leukemogenesis"Int. J. Hematol.. 71. 46-54 (2000)

  • [文献書誌] Nosaka, T.: "Jaks and STATs in hematopoietic cells"Int. J. Hematol.. (in press.). (2000)

  • [文献書誌] Morita, S.: "An efficient and stable retrovirus packaging sysytem for transient packaging"Gene Therapy. (in press). (2000)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi