研究課題/領域番号 |
09470237
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山本 格 新潟大学, 医学部, 助教授 (30092737)
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研究分担者 |
木原 達 新潟大学, 医学部, 教授 (80018324)
川崎 克俊 新潟大学, 医学部, 講師 (20152944)
矢尾板 永信 新潟大学, 医学部, 助手 (00157950)
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キーワード | 糸球体 / 遺伝子 / ライブラリー / 糸球体腎炎 / ゴルジ装置 |
研究概要 |
腎糸球体に特異的に発現している遺伝子を単離する目的でラットの糸球体cDNAライブラリーをDifferential screeningし、単離した遺伝子が実際に糸球体に特異的ないし糸球体に豊富に発現しているかどうかをribonuclease protection assayを行なって確認した。その結果、これまで糸球体に特異的に発現している遺伝子としてこれまで報告されているcollaggen type IV α3 chainなどの既知の糸球体特異的遺伝子のほかにThymosin β4、heparin-binding epidermal growth factor,cadherin 5,ol factomedin-related protein などこれまで腎臓では報告されていない遺伝子や遺伝子データバンクに登録されていない遺伝子などを単離した。そのうちの、ol factomedin-related protein は機能は不明であるが神経細胞に特異的に発現している遺伝子と報告されていたものであった。この分子が糸球体上皮細胞のゴルジ装置に特異的に存在することが分かった。さらに、この蛋白のC末端にはSDELアミノ酸配列があり、それがこの蛋白をゴルジ装置に留めるのに重要であると考え、その配列を換えた遺伝子を発現ベクターに組み込み蛍光蛋白との融合蛋白としてCHO細胞に発現させる実験で、SDELアミノ酸配列の重要性が確認されつつある。その他、遺伝子データバンクに登録されていない遺伝子については腎臓の発生、糸球体腎炎などの病態での遺伝子発現を見ながら、それらの重要性を推定し、さらにそれらの局在や機能を検索する予定である。また、糸球体腎炎で発現が変化している遺伝子の探索でも数十の候補遺伝子が拾われ、その塩基配列が読まれた。それらについても今後検討してゆく。
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