• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

電解質代謝異常の成因におけるナトリウム輸送体遺伝子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 09470239
研究機関自治医科大学

研究代表者

浅野 泰  自治医科大学, 医学部, 教授 (00050500)

研究分担者 大野 修一  自治医科大学, 医学部, 助手 (90285776)
雨宮 守正  自治医科大学, 医学部, 助手 (90275678)
川上 潔  自治医科大学, 医学部, 助教授 (10161283)
武藤 重明  自治医科大学, 医学部, 講師 (40190855)
キーワードナトリウムポンプ / 上皮型ナトリウムチャネル / 血清 / 増殖因子 / アルドステロン / 血管平滑筋
研究概要

1、血清刺激に対する血管平滑筋細胞のナトリウム(Na)ポンプ遺伝子の発現制御
ラット大動脈より単離・培養した血管平滑筋細胞に10%fetal bovine serum(血清)を添加すると細胞数、DNA合成能は増加し、これはNaポンプ阻害薬であるouabainによって抑制された。血清添加後、Naポンプ遺伝子α1サブユニット、β1サブユニットmRNAレベルはともに時間および濃度依存性に増加し、これはα1サブユニット、β1サブユニットタンパクレベルの上昇、Na-K-ATPase活性の上昇を伴っていた。血清刺激に対するβ1サブユニットmRNAの増加はprotein kinase C、tyrosine kinaseの活性化が関与していた。一方、血清刺激に対するα1サブユニットmRNAの増加はこれらkinaseの活性化とは無関係に出現した。また、α1サブユニット遺伝子の5'隣接領域(-1537〜+261)、β1サブユニット遺伝子の5'隣接領域(-764〜+129)は血清刺激に反応するエレメントを含んでいることも判明した。以上より、血清刺激は転写を介してNaポンプ遺伝子の発現を抑制していることが明らかになった。
2、低Na食に対する上皮型Naチャネル遺伝子の発現
低Na食を4週間投与したラット腎(皮質、髄質外層、髄質内層)および遠位大腸の上皮型Naチャネル遺伝子の発現を対照ラットと比較検討した。低Na食を4週間投与したラットでは血漿アルドステロン濃度は著明に増加した。腎では皮質、髄質外層、髄質内層で低Na食により上皮型NaチャネルαサブユニットmRNAは有意に増加したが、βサブユニットmRNAは変化しなかった。γサブユニットmRNAは髄質外層、髄質内層はともに変化しなかったが、皮質では有意な低下を認めた。一方、遠位大腸では低Na食により、βサブユニット、γサブユニットの著明な増加を認めたが、αサブユニットは不変であった。以上より、アルドステロンはサブユニットにより異なった機序で腎、大腸の上皮型Naチャネル遺伝子の発現を抑制していることが明らかになった。

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi