研究課題/領域番号 |
09470241
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中村 肇 神戸大学, 医学部, 教授 (40030978)
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研究分担者 |
相馬 収 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (70283893)
常石 秀市 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (10271040)
米谷 昌彦 神戸大学, 医学部, 助手 (60221678)
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キーワード | 低酸素 / 虚血 / 神経障害 / 新生児 |
研究概要 |
ストレス蛋白の一つであるHemeoxygenase-1 (HO-1)は、抗酸化作用により低酸素・虚血負荷による神経細胞死に対して防御的役割を果たしている可能性があると考え、まずその動態を解明するために、幼若ラットの低酸素・虚血負荷モデルを作成し、HO-1蛋白の発現について検討した。日齢7のSprague-Dawleyぴラットの左総頸動脈を結紮切断し、8%酸素下で2時間の低酸素負荷をかけ新生児低酸素虚血性脳症(HIE)ラットを作成した。低酸素終了後0、3、6、24、36時間、72時間にパラホルムアルデヒドで灌流固定した後、脳を浸潤固定した。これをパラフィン包埋して冠状断を作成し、ヘマトキシリン-エオジン染色、抗HO-1抗体とABC法を用いた免疫染色を行った。さらに、ラットの脳を低酸素終了後0、6、12、24、48時間に摘出し抗HO-1抗体によるwestern blottingを行った。対照群には同日齢の幼若ラットを用いた。免疫染色では、HIEラットでは低酸素終了後3時間後より結紮側の大脳皮質、外包およびCAI領域を中心とする海馬においてHO-1陽性細胞が増加していた。 Western blottingではHIEラットは低酸素終了後HO-1発現が徐々に増加し、低酸素12時間後で最も強く発現した。低酸素終了後24時間後には対照の発現レベルまで低下していた。また、低酸素12時間後に摘出した脳を用いて部位別に発現量を検討したところ結紮側の海馬を含む部分に多かった。既に報害されているadultの虚血ラットと比べると、HO-1蛋白の増加期間が短く、発現パターンも異なることがわかった。
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