研究課題/領域番号 |
09470241
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中村 肇 神戸大学, 医学部, 教授 (40030978)
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研究分担者 |
相馬 収 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (70283893)
常石 秀市 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (10271040)
米谷 昌彦 神戸大学, 医学部, 助手 (60221678)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 低酸素 / 虚血 / 神経障害 / 新生児 / heme oxygenase-1 |
研究概要 |
平成9年度は、熱ストレス蛋白の一つとして細胞防御的に働くとされるHeme oxygenase-1(HO-1)の、生後7日齢ラット低酸素性虚血性脳障害モデル(Rice's model)における発現様式を検討した。HO-1 mRNAレベルは、障害後3時間をピークとし、その後速やかに前値にまで低下した。HO-1蛋白レベルにおいても発現は迅速で、障害後12時間をピークとし、24時間後には低下していた。部位別では、障害の強い虚血側の海馬領域を含む部位で最強であった。既報告の成獣モデルに比べて、幼若ラットではHO-1の発現がより速やかであり、かつ短時間に限定されることを明かにした。 平成10年度は、ラットグリオーマ細胞C6株を対象に、HO-1の発現制御機構を解析した。C6細胞では42度30分の熱刺激後30分以内に、HO-1 mRNAが豊富に発現し、12時間後には前値にまで減少した。HO-1蛋白も刺激後12時間でピークとなり、24時間後には減少した。次に、この内因性のHO-1発現亢進を利用して、HO-1の発現亢進がグリア細納の分化を修飾する可能性を検討した。C6細胞をレチノイン酸刺激すると、髄鞘蛋白であるプロテオリピッド蛋白(PLP)が発現するが、熱刺激の後にレチノイン酸刺激にてPLPを誘導させると、その発現が抑制され、別の分化方向であるアストロサイト系のグリア線維性酸性蛋白(GFAP)の発現が増加した。 これらの結果から、HO-1は脳障害時に発現亢進して、脳細胞に対して防御的に作用子る反面、幼若グリア細胞の分化に影響を及ぼして、白質病変等を惹起する可能性が示唆された。
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