研究課題/領域番号 |
09470243
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
奥芝 俊一 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (70185536)
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研究分担者 |
瀧本 将人 北海道大学, 医学部, 講師 (30179585)
葛巻 暹 北海道大学, 医学部, 教授 (80091445)
近藤 哲 北海道大学, 医学部, 助教授 (30215454)
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キーワード | 食道癌 / 癌の遺伝子治療 / N116Y / RAS抑制変異体 |
研究概要 |
昨年度の研究においてアデノウイルスベクターを用い、食道癌細胞にN116Yを導入した結果、TE8、SGF3、SGF7のin vitroでの増殖を強く抑制したが、HEC46では抑制効果が弱いことを示した。このことからTE8、SGF3、SGF7ではMAPK(ERK2)の活性化がおこらず、Ras-MAPKカスケードが抑えられているが、k-rasの変異を認めるHEC46ではERK2の活性化がおこっており、N116Yが変異によって活性化されたrasを完全に抑えていない可能性が示唆された。 今年度の研究において、まずcell cycleの解析によりN116Yを導入したTE8ではG1 arrestをおこし増殖が抑制されていることが示された。またp53を導入した場合は全ての細胞株でinvitroの増殖が抑制され、p53のstatusによる差は認められなかった。これらの結果は、p53wt導入による増殖抑制効果はp21を誘導し細胞をG1期に停止させる一次的な増殖抑制とアポートシスの二つの経路のうち、TE8ではapoptosisではなくG1 arrestがおこっていることを示唆した。さらにヌードマウスに移植した腫瘍へ直接AdN116Yを投与した結果、TE8、SGF3ともに腫瘍の増殖は抑制された。これらによりN-116Yは食道癌に対する遺伝子治療に十分、応用可能であることが証明された。
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