研究課題/領域番号 |
09470248
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小野寺 久 京都大学, 医学研究科, 講師 (50240825)
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研究分担者 |
井上 一知 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (90168435)
細谷 亮 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00139908)
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
嶋田 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (30216072)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 膵 / 内分泌腫瘍 / カルシウム / セクレチン / カルシウム感受性受容体 |
研究概要 |
1)内分泌腫瘍におけるホルモン分泌機構の検討を行った。我々は以前インスリノーマ細胞が細胞外カルシウム濃度([Ca^<2+>]o)の上昇に反応して細胞質内カルシウム濃度([Ca^<2+>]i)が上昇しインスリンを分泌することを見いだしている。カルシウムにインスリノーマ細胞が反応することよりカルシウム感受性受容体(CaR)に着目、インスリノーマにおいてもCaRが存在することを電気生理学的手法、サザンブロット法、免疫染色により見いだした。ガストリノーマ、Vipoma、グルカゴノーマ、正常膵α、β細胞においてもCaRの発現を確認した。インスリノーマ、ガストリノーマ細胞、正常ラ島におけるCaRの機能について[Ca^<2+>]o負荷に対する[Ca^<2+>]iおよびホルモン分泌を測定することにより調べた。内分泌腫瘍細胞においては[Ca^<2+>]o刺激はPI-turnoverを介して[Ca^<2+>]iを濃度依存性に上昇させることを明らかとした。また、[Ca^<2+>]o刺激によるこれら膵内分泌腫瘍細胞からのホルモン分泌も確認した。しかしながら、ラットの正常ラ島を用いた実験ではこれらPI-turnoverを介した反応を認めなかった。膵内分泌腫瘍と正常ラ島のカルシウムに対する反応性の相違より、膵内分泌腫瘍のホルモン分泌機構にCaRが重要な役割を果たしていると考えられ今後さらなる検討を予定している。また、増殖因子であるベータセリンの内分泌腫瘍の増殖における意義に注目しており、腫瘍化との関係について検討をしている。CaRについても細胞の分化増殖に関係しているという報告もあり腫瘍化との関係について検討をしている。 2)RT-PCRによりヒト正常胃G細胞、ガストリノーマにおいてmRNAレベルにおけるセクレチンレセプターの存在を確認した。現在抗体を作成中であり今後免疫染色による発現、局在等の検討を行う予定である。 3)ヒト内分泌腫瘍細胞の長期保存、継代培養に関しては、予備実験の段階であるが膵ラ島をキトサンメッシュに封入しラット腹腔内で長期保存させることに成功したので現在本法を内分泌腫瘍細胞においても試みている。
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