研究課題/領域番号 |
09470258
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
上田 政和 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50142419)
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研究分担者 |
亀山 哲章 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50276268)
渡辺 靖夫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20265846)
小澤 壮治 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10169287)
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キーワード | 増殖因子受容体 / ヒト融合タンパク / RNase / EGF受容体 / EGF / IL-2受容体 / IL-2 |
研究概要 |
増殖因子受容体を分子標的としたヒト融合タンパクによる新しい治療薬の開発を目的として、ヒト上皮増殖因子(EGF)またはヒトIL-2とヒトRNaseのcDNAを結合させた組み替えDNAを発現ベクターに組み込みリコンビナントタンパクを大腸菌に産生させ、精製・活性化させたのちその殺細胞効果をinvitroで検討した結果、これらのリコンビナントタンパクが新しい治療薬へと発展する可能性が示された。 即ち、リコンビナントRNase・EGFはそのRNase活性やEGFR結合能はそれぞれRNaseとEGFに比較して変化は認められなかった。しかし、EGFRが過剰発現しているヒト扁平上皮癌細胞株A431にリコンビナントRNaseやEGFを単独または混合して添加しても殺細胞効果は認められなかった。が、リコンビナントRNase・EGFでは濃度依存的な殺細胞効果がみられ、しかもその効果はリコンビナントEGFを加える事により抑制された。ヒト扁平上皮癌を中心として細胞当たりのEGFR発現量が異なるヒト癌細胞株に本物質を添加すると、EGFR発現量に比例した殺細胞効果が認められた。 リコンビナントRNase・IL-2もそのRNase活性や受容体への結合能には変化は認められなかった。IL-2Rを過剰発現しているT細胞白血病株であるMJに本物質を添加すると濃度依存的な殺細胞効果が認めたが、それぞれの単独もしくは混合物では明かな殺細胞効果は認めなかった。リュウマチ患者科ら得られた滑膜をex vivoで培養し、本物質を添加すると炎症性細胞の増殖が著明に抑制された。混合リンパ球刺激試験を行い、本物質の効果を検討するとやはり濃度依存的な殺細胞効果がみられた。
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