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1998 年度 実績報告書

分子生物学的手法を用いた新しい食道癌予後因子の確立とその診断・治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 09470264
研究機関東京大学

研究代表者

真船 健一  東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40192348)

研究分担者 田久保 海誉  (財)東京都老人総合研究所, 臨床病理部門, 室長(研究職) (00154956)
森 正樹  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70190999)
キーワード食道癌 / 予後因子 / オルニチン脱炭酸酵素 / PyNPase / Grb7 / DMBT1
研究概要

術前遺伝子診断の試みとして、内視鏡下生検標本50症例100検体(癌腫50+正常上皮50)におけるオルニチン脱炭酸酵素(ODC)のmRNA発現を検討した。RT-PCR法によって100検体中91検体でODCmRNAの発現が確認され、腫瘍/正常上皮の発現比(T/N比)は、50症例中扁平上皮癌42症例(84%)で測定可能であった。癌腫におけるODCmRNA過剰発現は、42症例中36症例(85.7%)に認められた。切除不能8症例はすべて高発現群であった。切除34症例でも、高進行度例、リンパ節転移陽性例、血管侵襲陽性例は高発現群に多く認められ、切除標本における検討とほぼ同様の結果が得られた。(第99回日本外科学会総会で発表)
pyNPaseのmRNA発現を食道癌切除標本55症例で検討すると、T/N比はリンパ管侵襲、リンパ節転移、進行度と相関した。また、高発現群では有意に予後不良であり、予後因子としての有用性が示唆された。(論文発表)
Grb7とそのsp1ice variantであるGrb7Vの発現を食道癌切除標本43例で検討した。Grb7VはGrb7陽性の食道癌の40%で発現し、原発巣よりリンパ節転移巣における発現が増強された。また、anti-sense Grb7RNAを遺伝子導入すると食道癌細胞の浸潤能が抑制された。したがって、Grb7は食道癌における細胞の浸潤と転移進展に関連することが示唆された。(論文発表)
染色体10qに存在するDMBT1遺伝子のmRNA発現を検討したが、食道癌切除標本43症例中23症例(53.5%)において、正常上皮に比べ癌腫で低発現であった。食道癌樹立細胞15株中12株では発現が認められなかった。食道癌切除標本43例中5例(11.6%)、樹立細胞15株中2株(13.3%)で同型接合性の欠失が認められ、食道癌の癌抑制遺伝子の可能性が示唆された。(論文発表)

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shinji Tanaka,et al.: "a novel variant of human Grb7 is associated with invasive esophageal carcinoma" Journal of Clinical Investigation. 102・4. 821-827 (1998)

  • [文献書誌] M.Mori,et al.: "Lack of DMBT1 expression in oesophageal,gastric and colon cancers" British Journal of Cancer. 79・2. 211-213 (1999)

  • [文献書誌] M.Yamagata,et al.: "Expression of pyrimidine nucleoside phosphorylase mRNA plays an improtant role in the prognosis of patients with oesophageal cancer" British Journal of Cancer. 79・3/4. 565-569 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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