研究分担者 |
細谷 亮 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00139908)
有井 滋樹 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50151171)
塩田 浩平 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80109529)
土井 隆一郎 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20301236)
嶋田 裕 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30216072)
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研究概要 |
1.膵癌を構成する膵管系幹細胞と内分泌細胞の同定 PDX-1は原始膵原基から膵管系細胞や内分泌細胞へ分化する膵発生過程で必須の分化誘導因子である.膵癌発生母地と考えられる膵管系幹細胞を同定することを目的として,膵管不完全結紮モデルにおいてPDX-1発現を検索し,過形成性膵管上皮にPDX-1発現細胞が存在することを明らかにした.しかも持続的膵管内圧亢進によってPDX-1発現細胞が内分泌系細胞に分化する像が得られ,PDX-1発現の検索が膵管系幹細胞同定に有用であると考えられた.そこで臨床検体において,膵癌近傍の非癌部膵における異型膵管上皮のPDX-1発現を検討中である. 2.胎児膵での原始膵管細胞からの分化増殖機構の検討 前年度研究のヒト胎児膵における検討で,胎生初期に原始膵管細胞から内分泌細胞が分化し,胎生中期に外分泌系細胞が分化増殖する過程を明らかにしたので,今年度は胎児膵の分化増殖をinvitroで再現する実験系を確立しその分子機構を検討した.すなわちマウス胎生膵原基の3次元培養において,膵原基単独培養では分化が見られないが,周辺マトリックス添加により外分泌膵と内分泌膵を含む成熟膵への分化がおきることを明らかにした.また膵原基が導管系細胞だけに分化する人工的ゲル環境培養法を開発したので,現在,膵原基単独培養とゲル環境培養下でのmRNA発現をdifferential display法で解析して新規の分化増殖因子を探索している. 3.膵癌の腫瘍血管構築様式と血管新生の機序の検討 前年度までの研究では,VEGF・PD-ECGF・MMP・MT-MMP・SDF-1などの血管新生因子の膵癌における発現を検討してきたが,今年度は血管増殖抑制因子発現も検討した.膵癌細胞と臨床検体でのMETH-1のmRNA発現をみると,METH-1は膵癌組織の癌細胞に強発現し,腫瘍血管数と逆相関していることが判明した.
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