研究課題/領域番号 |
09470269
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
前原 喜彦 九州大学, 医学部, 助教授 (80165662)
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研究分担者 |
蓮田 正太 九州大学, 医学部, 医員
掛地 吉弘 九州大学, 医学部, 助手 (80284488)
大野 真司 九州大学, 医学部, 講師 (50203881)
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キーワード | VEGF / P53 / gastric cancer / prognosis / microsatellite instability |
研究概要 |
我々は臨床における胃癌組識でのVEGF、p53の発現を調べて、胃癌の血管新生における諸因子の役割と相互関係を明らかにしてきた。p53異常蛋白陽性例はVEGF陽性が多く、両者が共に発現している場合が脈管浸襲、リンパ節転移が高度で、最も予後が不良であった。VEGFは早期、進行胃癌ともに有意な予後因子であった。胃癌において、p53異常蛋白がVEGF発現を誘導するものは血管新生を促し、腫瘍内血管密度を高め、癌の浸潤転移を促し、予後不良であることがこれまでに明らかになった。この研究と平行して我々は種々の癌のマイクロサテライト不安定性についても解析を行っている。末梢血の微量癌細胞の検出方法に関して、偽陽性、感度、特異性の問題があり、現在まで様々な施設からその検出法の報告があったにも関わらず、実際に臨床応用されることはほとんどなかった。今回われわれが行っているPCR定量機器ABI7700Sequence Derecterは、Taqman Probeと呼ばれるヌクレアーゼ処理により蛍光を発するプローブを利用し、リアルタイムにPCR産物の増幅の様子をモニターする革新的な機器であり、現時点で考えられるもっとも優れたPCR定量法である。またこの機器は通常必要な電気泳動をする必要がなく、作業も単純化することができるため大量の解析が可能となった。またこの系を用いて、ミスマッチ修復遺伝子に変異をもつことが知られているヒト大腸癌細胞株をそれぞれサブクローニングし、クローン間の比較によりマイクロサテライト不安定性を検討したところ、変異遺伝子によっては殆どのクローンでマイクロサテライト配列の変化が観察され、この系の鋭敏さが示されるとともにイクロサテライト不安定性の変異遺伝子特異的な特徴が明らかにされた。
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