研究概要 |
アポトーシス発生とミトコンドリア・マトリックス物質bcl-2との関連について検討した。多くのアポトーシスはcytochrome Cの放出によりcaspaseが活性化されることによる。 1)L929細胞を用い、終濃度30〜300fg、ピペット濃度1mg/mlのcytochrome Cをmicroinjectorを用いて細胞質中に注入し2〜4時間培養した後、終濃度4μg/mlのdye33342を添加し、30分後の蛍光について検討した。その結果、量的,時間的にアポトーシス細胞は増加し、0.2mg/ml cytochrome C濃度で75%のアポトーシス細胞を認めた。 2)同時にcaspase阻害剤である0.5mM zVAD-fmkを細胞内注入したとこる、アポトーシス細胞は有意に抑制された。 3)細胞種依存性に関してMDCK細胞を用いて同様の検討を行ったところ、アポトーシスは誘導されるが、誘導される細胞数はL929細胞より有意に抑制されていた。 4)L929細胞培地内にTNF-α 1ng/ml,actinomycin D 0.5ng/mlを添加して4、6時間後のアポトーシス細胞を検討したところ、35%のアポトーシス細胞を認めた。 5)微量でアポトーシスが誘導されないcytochrome Cを細胞内に注入後、上記TNF-α actinomycin D処理を行えば、きわめて高率にアポトーシスが誘導された。 6)0.5mM zVAD-fmkをあらかじめ注入したL929細胞ではTNF-α actinomycin Dによるアポトーシスが抑制された。
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