研究課題/領域番号 |
09470275
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川内 基裕 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (00152918)
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研究分担者 |
竹下 美香 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
岡 輝明 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60177029)
宮地 鑑 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40281703)
竹田、 誠 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10236482)
中島 淳 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90188954)
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キーワード | Discordant異種移植 / ブタ / ニホンザル / 超急性拒絶反応 / 新生児 |
研究概要 |
平成9年度はではブター日本猿モデルを用いてDiscordant異種心臓移植における超急性拒絶反応の発生時期を検討した。 donorとして生後6-12日のミニブタ11頭。recipientとして生後52、59、75、89、101、108、114、129、151、181、192日の日本猿11頭を用いた。donor心臓はOno-Lyndsey法に準じてrecipientの腹腔内に異所性に移植した。donor心臓は、拒絶により心停止したと判断したとき、あるいは移植後6時間を経過した後に摘出した。摘出標本は病理組識学的検索を行い、超急性拒絶反応の終末像というべき間質内への出血の程度に応じて0から4の5段階に分類された(病理score)。 生後52、59、75、89、101、108、114日の7頭のrecipient(1群)に移植されたdonor心臓は、移値後6時間良好な拍動を続けた後に摘出された。生後129、151、181、192日の4頭(2群)のrecipientに移植されたdonor心臓は、9-29分後に超急性拒絶反応により心停止した。1群の心臓は病理組識学的には超急性拒絶反応には至らず、病理scoreも1.9±1.1であった。2群の心臓はすべて超急性拒絶反応と考えられ、これらの心臓の病理scoreは3.8±0.5であり、2群の病理scoreは1群よりも有意(Student's t-test p<0.01)に高値であった。 平成9年度の急性実験では日本猿は、生後114日に至るまで新生児ミニブタの心臓に対して超急性拒絶反応をおこさなかった。114日未満の日本猿は超急性拒絶反応をおこさずにブタの心臓移植が可能であることが本年度の研究で判明した。
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