研究課題/領域番号 |
09470284
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
川副 浩平 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50075561)
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研究分担者 |
那須 雅孝 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20180531)
千葉 直樹 岩手医科大学, 医学部, 助手 (80254754)
鎌田 潤也 岩手医科大学, 医学部, 助手 (10254765)
泉本 浩史 岩手医科大学, 医学部, 助手 (10265150)
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キーワード | 心房細動 / 僧帽弁膜症 / Maze手術 / マクロリエントリ-回路 / 心房表面マッピング / 左房径 / f波高 |
研究概要 |
1.Maze手術における切開線の簡略化 術中心房表面マッピングを、24チャンネル同時に4回、計98ポイントにおいて行った。その結果、細動波がほとんど認められないものと、細動波に規則性がなくなりエントリ-回路が不明なものを除くと、心房細動(Af)のリエントリ-回路は、主として肺静脈入口部を中心に形成されていると考えられた。従って、特に僧帽弁疾患のように左房負荷がAfの成因となっている場合は、肺静脈入口部を含む左房後壁を隔離切開する改良法が簡便かつ効果的であると考え、現在この方法を用い検討中である。 2.基礎心疾患手術時にMaze手術を付加することの安全性 Maze手術の合併施行が、基礎心疾患の手術の危険因子となるかどうかを明らかにするため、同一疾患(僧帽弁閉鎖不全症;MR)に対する同一手術(弁形成術)において、Maze手術付加の有無による手術成績の差を検討した。すなわち、MR+Af群と洞調律のMR群の比較では、手術死亡あるいは病院死亡のいずれも、両群ともになく、合併症の発生頻度にも有意差は認められなかった。ただ体外循環時間と心停止時間は、Maze手術併用群において30分程度延長し、術中・術後の出血量と輸血量も多い傾向にあった。このことより、基礎心疾患の手術にMaze手術を付加することが、手術の危険因子とはならないと結論した。 3.Maze手術の適応の検討 Maze手術によって洞調律に回復する条件を検索するため、術後洞調律群とAf群における術前諸因子を比較分析した。両群間に有意差を認めたのは、心エコー図上の左房径と心電図上のf波高(V1)であった。理想的な洞調律への回復が期待できる術前の指標は、左房径が60mm以下で、f波高が0.1mV以上の症例と考えられた。
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