研究概要 |
単心室における骨格筋移植右室再健術: イヌを用いた単心室モデルを作成し,電気的トレーニング後の自己骨格筋グラフトによる動的右室再建術を施行し血行動態的効果を評価した。 【対象】:体重10-20kgの犬26頭 ペースメーカーによる8wの左広背筋グラフトの電気的トレーニングを施行. 【方法】:人工心肺に先立ち体重20kg前後のdonorから採取した大動脈弁付きHomograftの側面に異種心膜により作成したpouchを吻合。人工心肺を用いた心停止下に、右室内腔および三尖弁を縫合閉鎖し、単心室モデルを作成。大動脈遮断を解除し心拍動下に先に作成した心膜pouch付き大動脈Homograftを右心房側壁一肺動脈に吻合,ついで左側有茎広背筋を心膜pouchおよび両心室外側に被覆した.人工心肺離脱後,植え込み型骨格筋電気刺激システムにより広背筋graftを20Hz60,80,120/minにて駆動した。 【結果】骨格筋非駆動時,人工心肺離脱後CVP20mmHgと著明な右室不全を呈し安定した血行動態の維持は不可能であったが,心拍動非同期20Hz駆動にて心拍出量は術前の80%に上昇するとともにCVP12-14mmHgと生理的範囲に低下し安定した循環動態を維持しえた.さらに術後連続駆動実験において数時間までに血行動態的効果の減弱や血栓塞栓症や骨格筋変性を認めず,臨床応用への可能性が示唆された。
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