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1999 年度 実績報告書

頭蓋内胚細胞性腫瘍の悪性転換に伴って発現する未知の遺伝子の単離と解析

研究課題

研究課題/領域番号 09470291
研究機関新潟大学

研究代表者

鷲山 和雄  新潟大学, 脳研究所, 助教授 (00183715)

研究分担者 薄井 宏  新潟大学, 脳研究所, 助手 (20192510)
熊西 敏郎  新潟大学, 脳研究所, 教授 (40018601)
キーワード脳腫瘍 / 松果体部腫瘍 / 悪性転換 / 胚細胞性腫瘍
研究概要

頭蓋内胚細胞性腫瘍の悪性化に関与する遺伝子や、ヒトの組織分化に伴って発現する未知の遺伝子を単離することを最終的な目標として、前年度までの研究では、我々が樹立した頭蓋内胚細胞性腫瘍由来細胞株の特性の一つである、がん抑制遺伝子の発現状況を詳細に調べた.また、これらの原腫瘍組織の異なった組織分化を示す腫瘍部分の標本を使って、悪性転換に関与している可能性のある遺伝子を単離する方法の確立も目指した.
今年度の研究では、株化細胞をもちいて染色体分析をおこない、その特性の検索をおこなった.長期継代株のひとつで、第3脳室腫瘍の11才の男子の患者から得られた長期継代培養細胞株は、移種移植ではchoriocarcinomaの組織像に類似し、ヒト絨毛ゴナドトロピンを産生分泌する.トリプシンGバンド法の検索では、染色体モードは、88-94<4n>,XX,+X,-Y,-Y,add(1)(p11),add(1)(q21),-2,add(2)(p25),-3,add(3)(p21),add(3),add(4)(p11),add(4)(q11),add(4),-5,-5,-5,del(6)(p21p23),add(7)(q11),-8,-8,add(8)(q2?),add(9)(q11),-10,del(10)(q24),del(10),-12,add(12)(p13),add(12),-13,add(14)(q21),-15,-16,-18,-18,t(18;20)(p10;p10),t(18;20)(p10;p10),+21,+21,-22,+13mar、を示した. Y染色体の欠如は、マルチカラーFISH法でも確認された.染色体分析の結果では、高度の染色体異常がみられるにもかかわらず、染色体17番短腕、16番短腕、8番長腕、13番長腕が保存されるか、もしくは変化が少なかった.この結果は、重要な癌抑制遺伝子であるp53、p16、p14の構造変化がみられないとの前年度までの検索結果にも対応するものと思われた.Rb遺伝子の検索は終了できなかったものの、生殖器由来の胚細胞性腫瘍における従来の知見に類似し、頭蓋内胚細胞性腫瘍でも悪性化における癌染色体の関与は低いものと考えられた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Washiyama, K.: "Establishment of Four Cell Lines Derived from Human Intracranial Germ Cell Tumors"Brain Pathology. 7(4). 1189 (1997)

  • [文献書誌] Tsumanuma, I.: "Clinicopathological Study of Pineal Parenchymal Tumors; Correlation between histopathological features, proliferative potential, and prognosis"Brain Tumor Pathology. 16(2). 61-68 (1999)

  • [文献書誌] 鷲山和雄: "松果体実質細胞性腫瘍と神経成長因子受容体"医学のあゆみ. 192(7). 781-784 (2000)

  • [文献書誌] 鷲山和雄: "脳腫瘍臨床病理カラーアトラス ; 胚細胞性腫瘍"医学書院. 4 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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