研究概要 |
GC factorは転写因子のpromoter領域に特徴的であるGC rich配列の部分に対し、特異的に結合しその発現を抑制する。悪性グリオーマには、多数の成長因子autocrine loopが存在し、特に高率にEGFRの過剰発現が確認されている。EGFRのpromoter領域にはGC rich配列が存在するため、過剰発現とGC factorの関係について検討した。悪性グリオーマ培養細胞におけるEGFRの発現を解析を行った。最も強い過剰発現が認められたU251-MGにGC factor遺伝子を導入し、細胞増殖能を解析した。導入細胞において細胞増殖抑制効果が認められ、EGFR,IGF-IIの発現低下を確認した。遺伝子導入による薬剤耐性に対する影響についても検討し、ACNU,cisplatin,vincristineに対する感受性の増加を認めた。GC factor発現組み替えアデノウイルスベクターをCOS-TPC法にて作成し、in vitro及びin vivoにおける発現の確認と細胞増殖抑制効果について検討した。 また、悪性グリオーマ及び悪性リンパ腫における細胞周期調節因子p16gene、ナイミーヘン染色体不安定症候群原因遺伝子(NBS1)、テロメレース活性の変化を検討した。アデノウイルスを使用しp16遺伝子導入によるACNU,CDDP,AZCに対する感受性の変化についても検討した。
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