研究課題/領域番号 |
09470306
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山田 敦 東北大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60107662)
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研究分担者 |
後藤 孝浩 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10292343)
鴫原 康 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (00292342)
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キーワード | ラット口腔粘膜上皮 / 培養粘膜上皮細胞 / フィブリン接着剤 / 上皮細胞形態 / 口蓋裂手術 / 口蓋骨 / 顎発育 |
研究概要 |
1.ラット口腔粘膜上皮細胞の培養に関して フィブリン無使用例では、培養上皮は薄く脆弱で、H-E染色による組織像は扁平細胞が一層に並んだ単層構造を示し、また共焦点レーザー走査顕微鏡像で示されたように単層で様々な大きさの上皮細胞で構成されていた。フィブリン使用例では、粘膜上皮シートは厚みがあり、剥離操作が容易で、H-E染色にて2〜3層の重層化を認め、基底側の細胞には立方形の細胞も観察でき上皮の物理的強度を支持する活性の高い細胞の存在を示唆した。また、共焦点レーザー走査顕微鏡像で示されたように重層構造を示し、抗サイトケラチン抗体AE1+AE3にて、上皮細胞は陽性反応を呈し、重層化部分で強陽性反応を呈し、正常粘膜上皮に類似の形態を呈していた。 2.培養口腔粘膜上皮細胞を用いたラット口蓋骨骨露出面の被覆 A群(粘膜骨膜切除群)、B群(粘膜骨膜切除+フィブリン接着剤充填・被覆群)、C群(粘膜骨膜切除+培養粘膜上皮細胞+フィブリン接着剤充填・被覆群)、D群(正常対照群)において、切除側の正中縫合線間距離は、術後1週目ではA群のみにD群より有意に成長の抑制が認められ、またA群・B群間およびA群・C群間でA群に有意に成長の抑制が認められた。術後3、5、7週目では、臼歯正中縫合線間距離はA群、B群、C群ともD群より有意に劣成長を認め、またA群・B群間およびA群・C群間でA群に有意に成長の抑制が認められた。B群・C群間で有意差は認められなかった。A群では臼歯正中縫合線間距離は術前値に達しな群かった。臼歯正中縫合線間距離の切除側、非切除側の比率はA群、B群では術後1週目からD群と比べて有意に低下しており、A群がより著明であったのに対し、C群では有意な低下は認めなかった。術後5週目以降は、C群ではD群と比べて有意な切除側、非切除側の比率の低下を認めず、またB群との間に有意差を認めた。
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