• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

ムチランス型リウマチ患者の骨関節破壊とCD57陽性T細胞の意義

研究課題

研究課題/領域番号 09470310
研究機関新潟大学

研究代表者

羽生 忠生  新潟大学, 医学部, 助教授 (20189591)

研究分担者 渡部 久実  新潟大学, 医学部, 助手 (50143756)
キーワードトロンボモジュリン / CD57陽性T細胞 / 慢性関節リウマチ / コラーゲン関節炎 / ムチランス / 胸腺外分化T細胞 / 顆粒球 / 骨髄細胞
研究概要

慢性関節リウマチ(RA)の中で全身性のムチランス型(MUD)は,急速で高度な骨・関節吸収を特徴とし,人工関節置換でも時期が遅れるとゆるみの発生が高率で,予後不良の一群である。血管内皮細胞の逸脱糖蛋白として注目されたトロンボモジュリン(TM)はRAにおいて高値をとるが,RA例での血管炎の頻度は低い。全身を反映する尿中TM値は手の関節の破壊指標であるSharp scoreと正の相関を認め,越智らの病型分類の多関節破壊型に比べMUDで有意に高値を示した。尿中TM値は炎症のパラメターが沈静化した晩期においても高値を持続していることから,RAのための新しい関節破壊のパラメターであり,また,MUDの病態解明の糸口になる。
RAにおける可溶性TMのソースと骨・関節破壊に関して,II型コラーゲン関節炎(CIA)モデルを用い検討した。CIA群では下肢骨髄細胞中のTM値は低く,関節炎発症前からアルカリフォスファターゼ(ALP)陽性CFU-F(colony forming unit-fibroblastic)コロニーの形成抑制を認めた。ヒト骨肉腫より樹立したALP産生系のNOS-1株では無刺激で培養上清および細胞内にTM値の上昇を認めた。一方,患者関節液中の白血球数とTM値との関係から,関節液中の顆粒球それ自体あるいは顆粒球による血管障害性により血管内皮からの逸脱と,骨関節破壊や骨形成抑制による骨芽細胞からの逸脱とによることを間接的に証明した。
RAにおいてCD57^+T細胞は罹患関節やその近傍骨髄に多く存在し,その機能はサプレッサーと考えられた。一方,新たに開発された骨型を識別できる抗体による検討でも,同じ傾向が再現され,MUDではTM値とCD57^+T細胞とは逆の動きを認めた。このCD57^+T細胞の機能を確認するために,滑膜や骨芽細胞との混合培養による可溶性TM量と自己障害活性との検討は進行中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Arai K,Yamamura S,Seki S,Hanyu T,Takahashi HE,Abo T: "Increase of CD57+ T cells in knee joints and adjacent bone marrow of rheumatoid arthritis(RA)patients : implication for an anti-inflammatory role." Clin Exp Immunol. 111. 345-352 (1998)

  • [文献書誌] 羽生忠正,ほか: "(ワークショップ)ムチランス型リウマチの病態解明:尿中トロンボモジュリン値上昇とその意義" リウマチ(第42回日本リウマチ学会総会抄録). 38(2). 296 (1998)

  • [文献書誌] Hanyu T,Arai K,Hoshino K,Takahashi HE: "Bone turnover in the metaphysis of the proximal tibia during the early periods after type II collagen-induced arthritis in growing and mature rats." Transactions of the 3rd combined meeting Orthopaedic Research Society. 3. S352 (1998)

  • [文献書誌] Arai K,Yamamura S,Hanyu T,Hoshino K,Takahashi HE: "Functions and changes in granulocytes during the process inflammation of collagen-induced arthritis." Transactions of the 3rd combined meeting Orthopaedic Research Society. 3. S43 (1998)

  • [文献書誌] Hanyu T,Arai K,Nakano M: "Urinary thrombomodulin in patients with rheumatoid arthritis : Relationship to disease subset." Clin Rheumatol. (in press). (1999)

  • [文献書誌] Hanyu T,Arai K,Abo T: "Extrathymic differentiation of resident T cells in the joint and rheumatoid arthritis.In:Takahashi HE,ed.Mechanical Loading of Bones and Joints." Springer-Verlag Tokyo, 181-195 (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi