研究概要 |
[In vitro]大脳皮質スライスに、KCl 40 mMを投与して神経伝達物質のグルタメートを放出させ、各種静脈麻酔薬thiopental,pentobarbital,phenobarbital,propofol,ketamine,alphaxaloneおよび非麻酔作用性バルビタールのバルビツール酸の放出抑制効果を検討した。また、これらの作用がGABA_A受容体を介しているかどうかを検討するため、bicuculline 100 μM存在下での抑制度も検討した。その結果、バルビツール酸は抑制効果を示さなかったが、各種麻酔薬は有意な抑制効果を示した。また、その麻酔薬とグルタメート放出の濃度反応曲線は、bicucullineによって最大抑制度に差はなく右方に移動したので、競合阻害であることがわかった。それぞれのIC_<50>およびbicuculline存在下でのIC_<50>は表に示す。 [In vivo]ラット大脳皮質、視床下部前部、後部にマイクロダイアリーシスプローベを置き、笑気、キセノン、イソフルレン吸入麻酔中の神経伝達物質ノルアドレナリン(NA)放出の変化を検討した。大脳皮質では笑気およびキセノンによりNA放出が増加したのに対し、イソフルレンでは低下傾向にあった。視床下部前部では全ての吸入麻酔薬で増加したが、視床下部後部ではキセノンでのみ増加した。
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