研究課題/領域番号 |
09470324
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
稲葉 英夫 秋田大学, 医学部, 教授 (60159952)
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研究分担者 |
町井 正人 秋田大学, 医学部, 助手 (50209467)
田中 博之 秋田大学, 医学部, 助教授 (90266297)
中永 士師明 秋田大学, 医学部, 助手 (10254781)
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キーワード | リンパ球 / apoptosis(アポトーシス) / 過酸化水素 / 肝細胞 / 内皮細胞 / 熱ショック蛋白 / bcl-2 / 虚血 |
研究概要 |
溶連菌製剤であるOK432とエンドトキシンの連続投与モデル(マウス48時間致死率100%)において、1)脾細胞のNK(natural killer)活性およびLAK(lymphokine activated killer)活性 2)脾細胞のFas介在アポトーシスに対する感受性の変化を測定した。本モデルにおいて、NK活性もFas介在アポトーシスに対する感受性も増大していた。すなわち、重症感染症時においては、リンパ球の臓器障害活性は高められているが、一方で、リンパ球自体のアポトーシスに対する感受性は増大していた。このことは、重症感染症時に観察される臓器障害発生と免疫能(感染防御能)の低下という一見相反する現象の一部が、リンパ球の"活性化細胞死"により説明できることを示唆している(発表準備中)。 摘出肝灌流法を用い、リンパ球が急性臓器障害(急性肝障害)を起こす条件として、Ok-432に代表される免疫賦活剤や虚血・低酸素負荷による内皮細胞の破綻(壊死およびapoptosis)が必要であることを明らかにした。これらの条件の中で注目すべきことは、虚血・低酸素負荷による内皮細胞のapoptosisである。一方、apoptosisによる臓器障害の進展を考える上では、apoptosisの誘導因子に加え、apoptosisの抑制因子の変化を捉える必要がある。そこで、虚血時の、1)抗apoptosis蛋白の代表である肝組織でのbcl-2の発現・細胞内分布変化、2)熱ショック蛋白Hsp72の発現・分布変化を免疫組織学的に検討した。その結果、bcl-2は、虚血時において、細胞内分布を変えずに、総量として減少していること、また、2)肝細胞由来の過酸化水素により肝小葉のmidzoneを中心とした内皮細胞にHsp72が誘導されることが示された(Crit Care Medicine,in press 1999)。
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