研究概要 |
[方法] (1)台形体内側核(NMTB)スライス実験 生後10日-2週間のラット脳をセボフルレン麻酔下に摘出し、台形体内側核(NMTB)細胞を含む橋部のスライス切片(300μ)を作成し、95%O2+5%CO2を通気したリンゲル液中で37℃・1時間インキュベートした。次にノマルスキー検鏡下、台形体内側核細胞周囲のシナプス前終末を直視下に同定し、ホールセルパッチクランプし、current clamp下に静止膜電位・活動電位を記録した。また-70mVに電位固定下にNa,K,Ca電流を記録した。 (2)ラット脊髄スライス実験 生後2週ほどのラット脊髄をエーテル麻酔下に摘出し、スライス切片(400μ)を作成、電位感受性色素(RH482)で20分間染色した後、95%O2+5%CO2を通気したリンゲル液を灌流した。脊髄後根を吸引電極に固定し、電気刺激を与えた。光吸収量の変化を高速カメラシステムで記録した。AP5,CNQX存在下にpresynapse応答のみを記録した。さらにハロセンを含んだリンゲル灌流下でも同様の実験を行った。潅流液中のハロセン濃度はガスクロにより測定した。 [結果・経過] (1)台形体内側核(NMTB)スライス実験 1-5%の全身麻酔薬ハロセンがepscを用量依存性に30-90%抑制した。2-3%ハロセンはpre-synaseのCa電流を抑制しなかった。2-3%ハロセンはpre-synaseのNa電流を抑制しなかった。2-3%ハロセンはpre-synaseの活動電位を抑制しなかったが、5-6mV過分極させた。 (2)ラット脊髄スライス実験 presynapseの電位変化はハロセンにより用量依存性に可逆的に抑制された。Ba,Cd,bicuculline, strychnine存在下でもハロセンの抑制作用が見られた。Naチャンネル抑制が示唆された。
|