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1999 年度 実績報告書

麻酔中に発生する冠攣縮の成因と治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09470329
研究機関北里大学

研究代表者

外 須美夫  北里大学, 医学部, 教授 (60150447)

研究分担者 竹中 智昭  北里大学, 医学部, 講師 (00179657)
山浦 健  九州大学, 医学部, 助手 (70264041)
川崎 俊宏  北里大学, 医学部, 助手 (80253433)
下川 宏明  九州大学, 医学部, 助教授 (00235681)
キーワード冠攣縮 / 麻酔 / 硬膜外麻酔 / 手術
研究概要

麻酔中に冠攣縮が発生した国内の症例報告を過去30年間にわたって調査した。その結果、年齢分布は、60歳代が最も多かった。男女比は圧倒的に男性が多かった。術前のリスクファクターとしては、高血圧、狭心症、喫煙、糖尿病が挙げられた。術前心電図は2/3が正常であった。冠攣縮の発生時期は手術中がもっとも多く約80%を占めたが、麻酔導入前にも5%発生した。手術部位は腹部が多く約半数を占めた。麻酔法は硬膜外麻酔だけによるものは3%にすぎず、硬膜外麻酔と吸入麻酔を併用した場合が30%を占めた。麻酔中に発生する冠攣縮の成因としては、浅麻酔、昇圧薬投与、迷走神経刺激、昇圧薬以外の薬剤の使用、硬膜外麻酔、血圧低下、過換気と続いた。治療には亜硝酸薬などの薬物が用いられているが、除細動や心マッサージが必要になった症例が約20%あった。周術期に冠攣縮が発生した患者で術後に冠動脈造影を行った患者のうち、有意な狭窄を認めたのは60%で残りの40%には有意な狭窄を認めなかった。これらの調査研究のまとめは現在英文論文として投稿中である。動物実験では、ミニブタ左冠動脈攣縮モデルに対して胸部硬膜外麻酔を施行し心臓交感神経活動を遮断した後に、ヒスタミンおよびセロトニンによる冠攣縮の冠動脈短縮率、発生頻度を検討したが、胸部硬膜外麻酔による冠攣縮発生頻度の上昇は認められず、交感神経遮断による冠攣縮発生闘値の低下は証明できなかった。このことから、この冠攣縮モデルでは、麻酔による冠攣縮発生の成因を検討することは困難であった。麻酔薬の循環作用について、プロポフォールの交感神経を介する血管容量に対する作用を検討した結果、プロポフォールは交感神経活動を抑制することにより、血管容量を増加させることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hoka S,Yamaura K,Takenaka T,Takahashi S.: "Propotol-induced"Anesthesiolgy. 89. 1945-1500 (1998)

  • [文献書誌] 外 須美夫: "周術期心臓死のリスク因子"呼吸と循環. 47. 695-704 (1999)

  • [文献書誌] 外 須美夫: "心室圧-容積関係と麻酔"臨床麻酔. 23. 637-643 (1999)

  • [文献書誌] 外 須美夫: "心循環器障害を有する患者の術前評価"麻酔. 48(増). S117-S125 (1999)

  • [文献書誌] 松本 知将,外須美夫,三谷浩之,永井一茂,瀬川晋,馬場志郎: "麦角アルカロイド誘導体内服患者の麻酔導入後に発生した冠動脈攣縮"臨床麻酔. 24. 253-255 (2000)

  • [文献書誌] 外 須美夫: "ドパミンとドブタミンの周術期循環管理における使い分け"循環制御. 19. 160-164 (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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