研究課題/領域番号 |
09470330
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
赤田 隆 九州大学, 医学部, 講師 (10260382)
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研究分担者 |
漢那 朝雄 九州大学, 医学部, 助手 (00274465)
中島 幹夫 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (80159061)
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キーワード | 血管平滑筋 / 血管内皮 / 吸入麻酔薬 / 血管拡張薬 / 細胞内カルシウム濃度 / Fura-2 / スキンド筋 / 抵抗血管 |
研究概要 |
本研究費申請時に提出した研究計画に従い、細胞内Ca^<2+>濃度測定装置が導入された昨年9月下旬までは、現有設備である等尺性張力測定装置を用いて、現在の全身麻酔薬の主流である揮発性吸入麻酔薬イソフルラン、セボフルラン、エンフルレン、ハロタンが摘出ラット腸間膜小動脈に及ぼす効果について血管内皮存在下、非存在下に検討を行った。結果、これら全ての麻酔薬は、臨床関連濃度で直接血管拡張作用を有することが示され、麻酔薬間で血管拡張作用の強さに差があることが明らかになった。さらに、膜透過標本実験からそのような血管平滑筋抑制作用の機序が麻酔薬間で異なることも明らかになった。また、血管平滑筋の収縮-弛緩機構に重要な役割を果たしている細胞内Ca^<2+>貯蔵部位に対する作用を検討すると麻酔薬間でやはり異なった作用が観察され、一部の麻酔薬が臨床関連濃度で細胞内Ca^<2+>貯蔵部位の統合性を脅かす可能性が明らかになった。最新の吸入麻酔薬であるセボフルランについて、内皮正常標本においてその作用を検討した結果、内皮依存性の収縮増強作用を有することが明らかになり、内皮由来弛緩因子の放出抑制がその原因の一つとして考えられた。細胞内Ca^<2+>濃度測定装置導入後の張力-細胞内Ca^<2+>濃度同時測定実験により、セボフルランの直接血管平滑筋抑制作用メカニズムが次第に明らかになりつつある。セボフルランの収縮蛋白系のCa^<2+>感受性に及ぼす効果に関する細胞内Ca^<2+>濃度測定実験結果と膜透過標本実験結果の不一致は、膜透過標本では既に失われている何らかの内因性物質あるいは損傷を受けている細胞膜が、セボフルランの収縮蛋白系のCa^<2+>感受性に対する抑制作用に関与している可能性を強く示唆した。また、高濃度セボフルランの血管平滑筋抑制作用には、細胞内Ca^<2+>濃度の低下も大きく関与することが明らかになった。他の麻酔薬に関して同様の検討が必要と思われる。
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