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1998 年度 実績報告書

アナフィラキシーショック発症時の病態形成のメカニズムと治療法の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09470336
研究機関順天堂大学

研究代表者

光畑 裕正  順天堂大学, 医学部, 講師 (70108934)

研究分担者 斉藤 仁  自治医科大学, 医学部, 助手 (20260838)
キーワードアナフィラキシー / ショック / phosphodiesterase inhibitor
研究概要

現在,monocytesに特異性をもつphosphodiesterase IV inhibitor(PDE 4 inhibitor)は、細胞内cAMP濃度を上昇させることにより,肥満細胞,好塩基球からの脱顆粒を抑制することがin vitroで確認されている。アナフィラキシーショック家兎モデルを用いて,in vivoでPDE 4 inhibitorの抗原抗体反応時の脱顆粒に対する効果を検討し、アナフィラキシーショックにおけるPDE 4 inhibitorの治療薬としての可能性を検討した。
82羽の家兎を用いて7群にわけ検討した。I群はアナフィラキシーショック発症前にPDE 4 inhibitor(KF19514)を投与し、対照群(II群)と比較した。投与量により更にI群をI-1(0.01mg/kg)群、I-2群(0.1mg/kg)、I-3群(1mg/kg)に分けた。2段階目の実験として、III群を対照群とし、アナフィラキシー発症1分後にPDE 4 inhibitorを投与した群(IV群)、aminophyllineを投与した群(V群)に分けそれぞれの効果を検討した。測定項目は、生存率、脈拍数,大動脈圧,中心静脈圧、肺粘性抵抗,動肺コンプライアンスであった。生存率はII群よりI群で有意に高く、I群内ではほぼ同じであった。また、生存率はIII群よりIV群で有意に高かった。肺粘性抵抗はI-2、I-3ではII群に比較した有意に低かった。動肺コンプライアンスはI-3ではII群に比較した有意に高かった。脈拍数,中心静脈圧は、I群、II群ではほぼ同じであった。脈拍数,大動脈圧は、III群、IV群、V群で同様であったが、中心静脈圧はIV群ではV群と比較して有意に低かった。家兎アナフィラキシーショックモデルにおいて、PDE 4 inhibitorは有意に気管支痙攣を改善し、その循環系に及ぼす影響は、aminophyllineと比較して軽微なものであった。これらのことより、PDE 4 inhibitorはアナフィラキシーの治療に有用であることが示唆される。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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