研究課題/領域番号 |
09470337
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
東 英穂 久留米大学, 医学部, 教授 (10098907)
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研究分担者 |
山本 悟史 久留米大学, 医学部, 助手 (60220464)
井口 敞恵 久留米大学, 医学部, 助教授 (10080558)
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キーワード | 海馬錐体細胞 / 脳虚血 / 急峻脱分極電位 / ネクローシス / small blebs / CA^<2+>蓄積 / 細胞膨化 / biocytin |
研究概要 |
1)成熟ラット(雄性8週齢)の海馬スライス標本を作成し、2%biocytin封入記録電極をCAl錐体細胞に刺入して正常潅流液中でbiocytinを注入後、細胞をABC法を用いて染色してコントロールとした。次に95%N_2-5%CO_2飽和グルコース欠乏液(脳虚血負荷)潅流し、同様の操作を急峻脱分極電位発生直後、さらに正常潅流液再投与1分後、3分後、5分後に行い、CAl錐体細胞の形態学的変化を観察した。コントロールのCAl錐体細胞は表面が平滑で濃染した細胞体をもち、樹状突起にはspineが多数みられた。急峻脱分極電位発生直後では細胞体や樹状突起起始部表面にsmall blebs(小胞)が出現し、染色性が低下していた。正常潅流液再投与1分後にはmedium-sized blebsとなり、3分後には 1arge blebesが出現し、5分後には細胞が膨化してその形状は不鮮明となった。 2)急峻な脱分極電位発生1分以内にCo^<2+>含有正常潅流液で置換すると、膜電位・膜抵抗はほぼ完全にコンlヘロールに回復したが、1.5分以後での再潅流では完全に回復しなかった。記録槽での潅流液置換に約30秒かかることを考慮すると、急峻脱分極電位発生1.5分以内であれば膜電位は完全回復するものと思われた。形態学的変化と照合して考えると、急峻脱分極電位発生1.5分以降にsmall blebsがlarge blebesに変化することにより不可逆性変化が生起すると結論できた。さらに、Co^<2+>含有正常潅流液で膜電位が回復したCAl錐体細胞の形状はコントロールのそれに比し、尖端樹状突起の細胞体近傍が長軸方向に膨化してやや延長していたが、短軸方向の長さは変わらなかった。すなわち、細長い錐体形をした細胞体が薄く染色され、その表面にblebsは認めなかった。この事実も、blebsの拡大と細胞体の膨化が不可逆性変化を発生させているという結論を強く支持した。
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