研究概要 |
1. 尿路性器平滑筋における構成型および誘導型一酸化炭素合成酵素の発現の分子生物学的検討と薬理学的検討 方法 1) 免疫組織学的解折:ラット陰茎に対して、Heme Oxygenase type1,type2(HO-1,HO-2)に対する抗体を用いた免疫組織学的検討を行い、NOSとほぼ同等の意義と考えられるNADPH-diaphorase染色を行って比較した. 2) 分子生物学的解析:ラット陰茎から全RNAを抽出し、reverse transcription/polymerase chain reaction(RT/PCR)を行った. 結果 ラット陰茎では、NADPH-diaphorase染色およびHO-2免疫染色でともに陽性に染色される神経様構造を認めたが、HO-1免疫染色では染色されなかった.RT/PCRでは、HO-2のmRNAの発現を認めた. 2. 尿路性器平滑筋におけるP2ブリン受容体の存在と機能に関する研究 方法 1) 機能的解折:ラット膀胱を用いて電気刺激併用の等尺性収縮実験を行い、非交感非副交感性の収縮と弛緩の有無と、P2X及びP2Yに対する拮抗薬の作用を調べた. 2) 分子生物学的解析:ラット膀胱、陰茎、精嚢から全RNAを抽出し、RT/PCRと直接塩基配列決定を行った.ラット膀胱、陰茎、精嚢から凍結切片を作成し、P2X及びP2Yに対するブローブを用いてin situ hybridization(ISH)を行い、mRNAの局在を調べた. 結果 RT/PCRにより、ラット陰茎ではP2Y1のmRNAの発現を認めた.ラット精嚢では、P2X2及びP2Y1のmRNAの発現を認めた.ラット膀胱ではP2X2及びP2Y1のmRNAの発現を認め、機能的にもP2Xを介する収縮及びP2Y受容体を介する弛緩の存在を認めた.
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