研究課題/領域番号 |
09470359
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
神崎 徹 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (00263278)
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研究分担者 |
徳川 吉弘 大阪大学, 医学部, 助手 (70283786)
光田 信明 大阪大学, 医学部, 助手 (50209805)
大橋 一友 大阪大学, 医学部, 講師 (30203897)
東 千尋 大阪大学, 医学部, 講師 (20151061)
村田 雄二 大阪大学, 医学部, 教授 (40283759)
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キーワード | オキシトシン受容体 / 糖鎖修飾部位 / 点突然変異 / 乳腺 / DNA結合蛋白 / U-Maf |
研究概要 |
我々は前年期で、オキシトシン受容体N-末端の糖鎖修飾部位に点突然変異を導入し、糖鎖がつかない様にした分子を作成し、これがリガンド結合能において野生型と同じであることを証明した。オキシトシンは分娩のみでなくその後の授乳においても重要な役割を果たしている。従来、解剖学的、生理学的知見から、オキシトシン受容体は乳腺の筋上皮細胞上に存在し、これがオキシトシンに反応して収縮し射乳がおこる、と考えられていた。今回我々はヒト乳腺組織(非授乳期、授乳期)を用いてオキシトシン受容体の極在、発現量を検討してみた。そのmRNA量では非授乳期、授乳期の間にほとんど差が見られず、またウエスタンブロット法にて授乳期乳腺におけるオキシトシン受容体蛋白量は子宮筋に比べ極めて少量であることを示した。一方免疫組織化学法にて、オキシトシン受容体は筋上皮よりむしろ腺上皮、乳管上皮に多く発現していることが明らかになった。早産後の母乳栄養の確立は母児相互関係の樹立のためも重要であり、乳腺におけるオキシトシンの作用の、今後更なる検討が必要である。また、子宮筋におけるオキシトシン受容体の誘導は正期症のみならず早産でも見られているが、この誘導時にオキシトシン受容体遺伝子5′領域に結合する蛋白質をクローニングした。この蛋白はプロトオンコジーンMafファミリーに属し、分子量18KD、アミノ酸164個よりなる。しかし残念ながらこの蛋白は直接のオキシトシン受容体転写活性化を行うことは出来なかった。又、この蛋白の結合領域に関係する多型性や転写に関する真の意義付けは今後研究課題と考える。
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