1.RSウイルス抗体陽性者より、recombinant library法により作製された抗RSウイルスF糖蛋白抗体は非常に高いRSウイルスの中和活性能を持つことが、プラーク法によりin vitroで認められた。この抗体7μgをRSウイルスを経鼻接種後24時間目のマウスに腹腔内投与を行ったところ、3日後には著明に肺組織でのウイルス増殖が抑制されていた。しかし、鼻粘膜組織でのRSウイルスの増殖抑制は明らかではなかった。 一方この抗体1μgを同様なRSウイルス感染マウスに、感染後12時間、24時間目に点鼻投与したところ、鼻粘膜組織でのウイルス増殖も著明に抑制された。さらに、点鼻投与と腹腔内(全身)投与と組み合わせることで、上気道を含む全気道から有効にウイルス増殖を抑制された。また、抗体投与により、肺や鼻粘膜での炎症反応の増殖は認められなかった。 2.C57BL/6マウスに、アラム、百日咳菌をアジュバンドとして、卵白アルブミンを抗原に用いて感作を行い、鼻アレルギーモデルマウスを作製した。同様な感作をIL-10TGマススを用いて行ったところ、鼻症状の増悪が、対照非TGマウスに比較して認められた。この機序として、IL-10TGマウスでは、Th1サイトカインとTh2サイトカインのアンバランスの亢進が生じていることが確認された。
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