研究課題/領域番号 |
09470369
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
岡本 美孝 山梨医科大学, 医学部, 教授 (40169157)
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研究分担者 |
松岡 伴和 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30313810)
水越 昭仁 山梨医科大学, 医学部, 助手 (00283218)
松崎 全成 山梨医科大学, 医学部, 講師 (90283217)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | RSウイルス / 鼻アレルギー / Th1サイトカイン / Th2サイトカイン / トランスジェニックマウス / 受動免疫 / 腸管免疫 / 鼻腔粘膜 |
研究概要 |
A.気道ウイルス感染のモデルから ヒト気道感染ウイルスの1つであるrespiratory syncytial virus(以下RSウイルス)のマウス感染モデルを用いて種々の検討を行なった。RSウイルス感染ではG糖蛋白によりTh2サイトカインが、F糖蛋白によりTh1サイトカイン産生が特に優位に生じ、特異な病態形成に関与していることが想定される。粘膜免疫によりサイトカイン(特にTh2)産生の減少、肺での炎症反応の軽減化が認められた。鼻粘膜での有効なRSウイルス増殖の抑制は鼻内免疫群でのみ認められた。 一方、RSウイルスを経鼻接種したマウスでは、ヒスタミン点鼻による鼻かき発作を知覚過敏の指標とした検討で、ウイルス増殖に伴って知覚過敏の亢進が一過性に認められた。この知覚過敏の機序として、上皮細胞の障害、脱落以外に、ヒスタミンH1受容体(H1R)の発現亢進が認められたH1R発現亢進には、ウイルス感染に伴う上皮細胞からのIL-6の関与があると示唆された。ウイルス感染により上皮細胞の障害や脱落による知覚神経の露呈、抗原や炎症メディエーターの透過性亢進のみならず、神経受容体にも変化が生じて、過敏性形成がみられると考えられた。 B.サイトカインを強く発現したトランスジェニックマウスの検討から IL-10を鼻粘膜組織で強く発現させたトランスジェニックマウス(以下IL-10 TG)を用いて鼻アレルギー、上気道ウイルス感染へのIL-10の役割を検討したところ、IL-10を鼻粘膜局所で強く発現させたマウスでは、感染細胞でのアポトーシスの誘導亢進、アレルギー感作でのTh2/Th1サイトカインのアンバランス亢進など多彩な変化が認められた。
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