研究課題/領域番号 |
09470376
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田川 義継 北海道大学, 医学部, 助教授 (40109426)
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研究分担者 |
松田 彰 北海道大学, 医学部, 助手 (00312348)
西平 順 北海道大学, 医学部, 助教授 (30189302)
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キーワード | マクロファージ遊走阻止因子 / 実験的自己免疫性ぶどう膜炎 / 増殖性硝子体網膜症 |
研究概要 |
本研究では、第1に、実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)における抗MIF抗体の役割、第2に増殖性硝子体網膜症におけるMIFの意義を知るため臨床症例の硝子体液中のMIF濃度を検討した。まず、EAUでは、ルイスラットを用いIRBP(R16)免疫後、EAUに対する抗MIF抗体の発症抑制効果を検討するため、抗MIF抗体を投与し、経時的にEAUの推移を観察し、組織学的にも検討した。その結果、免疫後0日〜6日まで抗体を投与した群(A群)では、免疫後8日〜14日に抗体を投与した群(B群)と比較してEAUの発症が平均2日間遅延した。また、免疫後18日目に観察した組織学所見でも、EAUによる炎症が有意に減少していた。以上より、抗MIF抗体の投与がEAUの発症および炎症を有意に抑制したことから、MIFはEAUの発症に深く関与していると推測された。一方、増殖性硝子体網膜症症例の検討では、手術時に得られた26例の硝子体液のMIF濃度を測定した。その結果、増殖性硝子体網膜症(n=26)では51.33±49.21ng/mlで、対照群の裂孔原性網膜剥離(n=22)および黄斑円孔(n=26)では、それぞれ19.11±16.13ng/ml、2.98±2.55ng/mlで、増殖性硝子体網膜症で有意の増加を示した。以上より、MIFは増殖性硝子体網膜症の病態形成に関与していると推測された。
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