研究課題/領域番号 |
09470380
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松尾 俊彦 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (90211565)
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研究分担者 |
中ノ森 恒 岡山大学, 医学部, 助手 (00252966)
中川 秀樹 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (10252967)
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キーワード | 線維柱帯細胞 / 伸展圧 / TIMP-1 / MMP-2 / ひき算ハイブリダイゼーション / クローン / 塩基配列 |
研究概要 |
(1)線維柱帯細胞が伸展圧に反応して分泌する蛋白 培養した牛線維柱帯細胞に伸展圧を周期的に負荷すると、負荷しない対照と比較してTIMP-1およびMMP-2の分泌が有意に増加した。一方、TIMP-2およびMMP-9の分泌には、伸展圧負荷群と対照群との間に有意な差はみられなかった。以上の結果から、線維柱帯細胞は、眼内液や眼圧の変動によって生じる線維柱帯における伸展圧を感知して、TIMP-IおよびMMP-2を選択的に分泌し、線維柱帯の細胞外基質の代謝を調節している可能性がある。この結果を論文にまとめ、受理された。 (2)線維柱帯細胞において伸展圧に反応して出現するメッセンジャーRNAの分離 人線維柱帯細胞に伸展圧を負荷した時に出現するメッセンジャーRNAを、圧負荷しない細胞を対照として、引き算ハイブリダイゼーション法にて分離した。現在、伸展圧に反応して出現するメッセンジャーRNAのクローンを58個分離して、そのDNA塩基配列を決定している。この結果を、第102回日本眼科学会および1998年度Association for Research in Vision and Ophthalmology会議にて発表する予定である。 (3)眼組織におけるアミロライド感受性ナトリウム・チャンネルの発現 アミロライド感受性ナトリウム・チャンネルは線虫の圧受容体との相同性から、圧受容体であると考えられている。ラット眼組織におけるアミロライド感受性ナトリウム・チャンネルのメッセンジャーRNAの分布を、in situハイブリダイゼーション法にて調べた。発現は、網膜、毛様体上皮、角膜上皮および結膜上皮にみられた。これらの組織は、圧受容に関与していると考えられる。この結果は、第102回日本眼科学会にて発表の予定である。
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