研究課題/領域番号 |
09470388
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児外科
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田口 智章 九州大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20197247)
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研究分担者 |
廣瀬 龍一郎 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (90274753)
生野 猛 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (30235717)
水田 祥代 九州大学, 医学研究院, 教授 (30038856)
中尾 真 九州大学, 医学部・附属病院, 医員
田尻 達郎 九州大学, 医学研究院, 助手 (80304806)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | 小腸移植 / 空腸 / 回腸 / adaptation / c-fos / c-jun / mitosis / apoptosis |
研究概要 |
生体小腸移植および脳死小腸移植の両者を前提として、部分小腸移植を行う場合、グラフトとしてどの部分が優れるかを、分子生物学的観点から、移植腸管のadaptationの面からImmediate early geneの制御する蛋白であるc-Focとc-Junの発現をWestern blottingにより測定し、移植後の旱期の適応能力について調べた。 その結果、c-Fosは採取時、再灌流直後、30分後では空腸も回腸も発現がみられなかったが、4時間後は両者とも発現がみられ、回腸のほうが空腸よりも強かった。24時間後でも発現がみられたが強さは4時間後よりも弱く、部位別では空腸のほうが回腸よりもやや強かった。72時間後では空腸と回腸といずれも発現がみられなかった。したがって回腸のほうが発現が強く、旱い傾向がみられた。c-Junは4時間後のみ発現がみられ、強さは回腸のほうが空腸よりも強かった。この結果から回腸のほうが急性期におけるadaptation capacityが強い可能性が示唆された。 さらにRT-PCRにてc-fosおよびc-junのmRNAの測定系を確立し、移植の場合虚血再灌流障害の影響があるので、c-fosおよびc-junの虚血再灌流障害の影響について測定した。その結果、虚血再灌流モデルでは、c-fos再灌流後1時間前後にmRNAへの発現のピークがあり、4時間後では発現がすでに低下していた。それに対してc-junでは4時間後も高値を維持していた。この所見と病理像におけるmitosisとapoptosisの関係について検討をすすめたところ、小腸も肝臓と同様に、はじめ両者が発現しているとproliferationになるがc-fosの発現が低下しc-junが優位になるとapoptosisが誘導された。 一方、ブタ小腸移植では脳死移植モデルでは空腸移植モデルも回腸移植モデルも可能であるが、生体小腸移植モデルでは回腸移植のみモデルとして可能であることが判明。このモデルにおいてFK506 0.1mg/kg/dayおよび0.05mg/kg/dayの投与量で生着している。
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