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1998 年度 実績報告書

歯胚と歯原性腫瘍発生に関与する形態形成誘導因子の遺伝子発現の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09470391
研究機関岡山大学

研究代表者

永井 教之  岡山大学, 歯学部, 教授 (90085770)

研究分担者 石割 裕三  岡山大学, 歯学部, 助手 (10304312)
井上 正久  岡山大学, 歯学部, 助手 (20223274)
キーワード歯胚 / IV型コラーゲン / 基底膜 / 形態形成 / 細胞分化
研究概要

歯の形態形成と細胞分化は転写因子や成長因子が関与し,連続的な上皮-間葉の相互作用によって制御されている。基底膜は歯胚上皮とそれに隣接する間葉組織との間に介在する細胞外マトリックスとしてそれらの相互作用に関与していることが知られている。そこで基底膜の主要構成成分であるIV型コラーゲンに注目し,IV型コラーゲンα1からα6までの6種類のα鎖に対するモノクローナル抗体を用い,歯胚の各発生段階における基底膜IVコラーゲンα鎖の局在と消長を観察し,歯胚の形態形成,細胞分化との関連を観察した結果,以下の結論を得た。
1, 歯胚の発生段階で,基底膜IVコラーゲンα鎖の組成に違いがあり,α1鎖からα5鎖は,歯胚各上皮基底膜で時期特異的な推移のあることが示された。α6鎖は,歯胚の各発生段階で陰性を示した。
2, 上皮肥厚期,蕾状期,帽状期初期までの歯胚基底膜ではIVコラーゲンα1鎮,α2鎖以外にα3鎖,α4鎖,α5鎖が認められた。この時期の組み合わせには,恒常的構成成分である[α1(IV)]_2α2(IV)以外に,α3(IV)α4(IV)α5(IV)が存在すると考えられ,これら2通りの組み合わせからなるIV型コラーゲンは,初期歯胚の形態形成に関与している可能性が考えられた。
3, 帽状期後期から鐘状期にかけて,内エナメル上皮基底膜には,α1鎖,α2鎖のみが認められた。前者には[α1(IV)]_2 α2(IV)と,これまで報告の無いα4(IV)αx(IV)αx(IV)の組み合わせの存在が示唆され,後者には[α1(IV)]_2α2(IV)の組み合わせが存在した。従って,歯胚上皮基底膜にはα鎖の部位特異的な組成と組み合わせが存在し,特に内エナメル上皮基底膜に含まれる,α鎖の特異な組成と組み合わせのV型コラーゲンは歯胚の細胞分化に関与することが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 中野敬介: "歯胚発生時におけるエナメル基質蛋白(アメロゲニン)の遺伝子発現について" 日本機械学会代10回バイオエンニジアリング講演会論文集. 97-72. 551-552 (1998)

  • [文献書誌] 石割裕三: "In situ Hybridization法を用いた硬組織におけるコラーゲンmRNAの検出" 形態形成,分子分子メカニズム研究の最新技術. 81-85 (1998)

  • [文献書誌] Vinci Mizuhira: "Demonstration of Calcium Ion Distribution in Calcifying Cells" Acta Histochem Cytochem. 7-1. 217-230 (1998)

  • [文献書誌] 中野敬介: "マウス歯胚基底膜におけるIV型コラーゲンα鎖の消長に関する免疫組織学的研究" 岡山歯学会雑誌. 18-1. (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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