研究課題/領域番号 |
09470391
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
永井 教之 岡山大学, 歯学部, 教授 (90085770)
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研究分担者 |
石割 裕三 岡山大学, 歯学部, 助手 (10304312)
井上 正久 岡山大学, 歯学部, 助手 (20223274)
長塚 仁 岡山大学, 歯学部, 助教授 (70237535)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 歯胚 / 形態形成 / 細胞分化 / 基底膜 / IV型コラーゲン / 増殖因子 / TGF-β / FGF / 増殖因子 |
研究概要 |
歯の形態形成と細胞分化は転写調節因子や増殖因子が関与し、連続的な上皮-間葉の相互作用によって制御されている。基底膜は歯胚上皮とそれに隣接する間葉組織との間に介在する細胞外マトリックスとして、それらの相互作用に関与していることが知られている。歯胚基底膜の主要構成成分であるIV型コラーゲンのα1からα6までの6種類のα鎖の歯牙発生過程での局在と消長を免疫組織学的に観察したところ、歯胚上皮基底膜にα鎖の部位および時期特異的な局在と組み合わせが存在することが明らかとなった。特に帽伏期からの内エナメル上皮基底膜には、α4鎖を含む他の臓器には存在が確認されていない特異なα鎖の組み合わせが存在し、その組み合わせが歯胚特異的な形態形成、細胞分化に関与していることが示唆された。 最近、上皮と間葉から分泌される多くの増殖因子が基底膜と結合し、濃縮され、基底膜構成成分と共同で器官形成に作用することが明らかにされつつある。そこで次に、各種成長因子の歯牙発生過程における基底膜での局在と消長を免疫組織学的に観察し、IV型コラーゲンの局在、組み合わせとの関連性を検討した。今回検索した増殖因子(BMPs、FGFs、TGF-β)の中で、帽伏期後期以降に基底膜に陽性所見を示すものは検出できなかった。従って、帽伏期後期からの内エナメル上皮基底膜に存在するα4鎖を含む特異なIV型コラーゲンの組み合わせと共同作用する成長因子の存在は明らかにできなかった。しかし、上皮肥厚期と蕾状期においてはFGF-2とTGF-β1が歯胚基底膜に陽性所見を示した。この時期には、IV型コラーゲンα3(IV)α4(IV)α5(IV)の組み合わせが存在することから、この組み合わせとFGF-2、TGF-βの共同作用が初期歯胚形態形成、細胞分化に関与している可能性が考えられた。
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