研究課題/領域番号 |
09470393
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
久米川 正好 明海大学, 歯学部, 教授 (40049367)
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研究分担者 |
須田 年生 熊本大学, 医学部, 教授 (60118453)
羽毛田 慈之 明海大学, 歯学部, 助教授 (90164772)
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キーワード | 破骨細胞 / VEGF / FLT-1 / FLK-1 / 骨吸収 / 生存率 / チロシンリン酸化 |
研究概要 |
骨組織の形態形成および骨再生において、骨吸収と血管新生は時間的および空間的に密接な関連があることが考えられる。そこで本年度の研究課題として、強力な血管新生因子であるvascular endothelial growth factor(VEGF)が破骨細胞の骨吸収活性においても何らかな作用を示すのではないかという作業仮説から研究を進めた。 I.成熟破骨細胞に発現しているVEGF受容体遺伝子の分離 純粋なウサギ破骨細胞からmRNAを抽出し、現在知られている2種類のVEGF受容体(Flt-1,KDFR)遺伝子配列から特有のoligonucleotide primerを構築し、VEGF受容体遺伝子を増幅、サブクローニングし、その塩基配列を探った。その結果、ウサギの成熟破骨細胞はマウスやヒトと高いホモロジーを持つ2種類のVEGF受容体(Flk-1およびFlt-1)を発現していることが示された。この破骨細胞におけるVEGF受容体発現は免疫染色およびWestern blot分析でも確認された。 II.VEGF受容体を介したVEGFの破骨細胞の骨吸収活性に及ぼす作用 VEGFが、どのように成熟破骨細胞の骨吸収活性に作用するかを、純粋成熟破骨細胞の象牙片上での培養系を用いて検討した。その結果、VEGFは濃度依存的に破骨細胞による骨吸収を促進した。さらに、VEGFは象牙片上での破骨細胞の生存を高めた。それらの結果から、VEGFは破骨細胞を延命することによって二次的に骨吸収が促進されることが考えられた。また、それらのVEGF作用は破骨細胞内のチロシンリン酸化とリンクしていることが示された。
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