研究課題/領域番号 |
09470396
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
井出 吉信 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20103377)
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研究分担者 |
石村 園子 千葉工業大学, 工学部, 講師 (70095412)
高野 太刀雄 東京大学, 工学部, 助手 (10010852)
田松 裕一 鹿児島大学, 歯学部, 講師 (80266569)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | μCT / 三次元構築像 / 下顎骨 / 海綿質骨梁 / 歯の喪失 |
研究概要 |
骨は、ダイナミックな組織で、力学的環境に対応しリモデリングされている。歯が植立している顎骨は、筋を介してのみではなく、歯を介しての咬合力が直接的に骨内部にまで負荷されると言う力学的特徴を有している。このため、顎骨は歯を失うと外部形態と共に内部構造に大きな変化がみられる。これまで、骨の内部構造を観察する際には、樹脂などに包埋した後、薄切切片を作成し、2次元的に解析するのが通法であった。しかし、この方法では観察部位に対して破壊的であること、切断面以外の視点からの観察および立体像の観察ができないなどの欠点があった。ところが近年、これら欠点をカバーし、微細内部構造の観察に適した極微小焦点X線CT装置(μCT)が開発され、当大学に設置された。これを契機にμCTを用いて顎骨の内部構造を立体的に観察することを試みた。試料は有歯顎および無歯顎の下顎骨とし、撮影データから専用プログラムにより二次元スライス画像データを取得し、その後、三次元像を再構築した。その結果、有歯顎の下顎体内部は、歯槽部において歯を取り囲むように水平に配列する海綿質骨梁を観察することができた。しかし、基底部の骨梁の分布は疎であった。これまでの二次元的な観察では、骨梁は棒状、点状に観察されるのみであったが、立体的に観察するとこれらの他、板状の骨梁が多くみられた。一方歯槽部の吸収が進行した無歯顎下顎体部では、内部全体に細かい不規則な走行を呈する海綿質骨梁が比較的均一に多数みられた。この骨梁は有歯顎で観察された様な板状を呈するものは少数であり、ほとんどが棒状であった。この所見は、無歯顎になると顎骨内部に加わる咬合力が減少することに伴い、海綿質骨梁に吸収が起こり徐々に連続性が絶たれた結果であると考える。
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