研究課題/領域番号 |
09470398
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
吉村 文信 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50001962)
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研究分担者 |
村上 幸孝 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60239506)
尾関 正美 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80090124)
池田 健 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80241131)
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キーワード | Porphyromonas gingivalis / 線毛形成 / 線毛欠損株 / トランスポゾン / 二成分情報伝達系 / 嫌気性菌 / 歯周病 / グラム陰性菌 |
研究概要 |
Porphyromonas gingivalis線毛の形態形成に必須な遺伝子の同定をトランスポゾン(Tn4351:Tnと省略)を使って、線毛欠損株を作製し、これを解析することを通して、進めてきた。Tn挿入領域の決定を、各種の制限酵素を使った通常のゲル電気泳動とパルス・フィールド・ゲル電気泳動によって分析し、少なくとも8つのTn変異株は、線毛の主要構成蛋白質(fimbrilin)をコードする遺伝子(fimA)の存在する780kbNotI断片とは異なる染色体に変異が入っていることを明かとした。これら変異株は近接した特定のDNA領域上にTnが挿入されていると考えられる結果が得られたので、一つの変異株から、線毛形成に必須な新しい領域をクローン化し、部分塩基配列を決定した。本菌W83株ゲノム配列(未完成ながら、インターネット上に公開されている)との相同性検索から、細菌の二成分情報伝達系の一つであることが判明した。上流にセンサー・キナーゼ遺伝子(fimS)、すぐに下流に調節遺伝子(fimR)がタンデムにあたかもオペロンであるかのごとくに並んでいた。その後この領域の塩基配列を完成させた。配列情報を使って、7つの変異株のTn挿入位置を決定すると、6つがfimSに、1つの変異株はfimRに変異が見つかった事から、2つの遺伝子共に線毛の形成に必須であると推測できた。本菌で初めて見つかった二成分情報伝達系の働きについてさらに検討を進めている。
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