研究概要 |
成長板軟骨細胞の各分化時期におけるbcl-2遺伝子ファミリーの発現パターンを調べるために、研究に適したin vitro成長板軟骨分化モデルを作成した。今回開発した、マウス成長板軟骨細胞を用いた実験モデルの概要は以下の通りである。p53遺伝子が老化に深く関与しており、p53ノックアウトマウスより採取した線維芽細胞は容易に不死化すること、及びp53ノックアウトマウスはほとんどの場合正常に発育し生理的な発生と分化にはp53遺伝子は不必要であると考えられていることより、p53ノックアウトマウスの肋軟骨より成長板軟骨細胞を酵素処置により単離採取し2度のcloningにより細胞株を樹立した。本細胞株は10%牛胎仔血清を含むαMEM培地に10^<-6>Mのデキサメサゾンを添加して培養を行なう。これにより培養系では培養3から4日後より軟骨noduleを形成し始め、経時的に^<35>S硫酸の取り込みを指標としたプロテオグリカンの産生も上昇した。また、培養6日目ころよりALPase活性が上昇し始めた。そこで本培養系を用いて細胞のapoptosisを抑制あるいは促進することが知られているbcl-2,Bax,bcl-X_L,bcl-X_Sの遺伝子発現パターンをRT-PCR法にて検討した。この結果、本培養系ではコンフルエントよりこれら全てのbcl-2遺伝子ファミリーが発現しており、最終分化期と考えられる培養12日目まででは発現のパターンに変化がないことが判明した。
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