研究概要 |
ラットに4-nitroquinoline 1-oxide(4NQO)を飲料水に混じて投与する方法で舌癌を作成することができるが、これまでにDark-Agouti系ラットは4NQOに対する感受性が高く舌癌好発系でありWistar/Furth系ラットは感受性が低く舌癌発生に抵抗性であることがわかっている(Kitano et al:Jpn J Cancer Res83,843-50,1992)。これら感受性と抵抗性に関与する遺伝子の存在が推定されている(kitano et al :Jpn J Cancer Res 87,1097-101,1996)。以上の2系統のラットの舌発癌において舌粘膜にGST-Pの活性に差がみられるかどうかを、免疫組織学的に検索したところ、明らかな差が生じていることが分かったのでそれをもとに論文を作成し、発表した。加えて、p53蛋白をが発癌に関わるかどうか、またその関わり方に系統差があるかどうかを検索したところ、関わり方に系統差が見られたので、現在その結果をもとに論文を作成している。この研究については、さらに遺伝子レベルでの検索を続行中である。 関連した研究であるが、4NQOで誘発することによってラットの歯原性嚢胞を作成することを試みた。その結果4NQOが高頻度に嚢胞を誘発することが分かったので、その結果と、さらに、誘発方法がきわめてユニークであると考えたので、それら2点をもとに論文を作成して報告した。
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