研究概要 |
摘出されたヒト大腿骨骨頭および第3腰椎を用いてMorphology処理による骨格2値画像,DXAによる骨塩量(BMD)および骨強度(Elasticity)を測定し,それぞれの関係について検討した結果下記の結論を得た. 1.大腿骨,腰椎ともにBMDと骨強度は相関していなかった.(r=0.48,0.098). 2.横方向と縦方向の混在した無秩序な骨格を有する構造,もしくは規則正しい格子状をした内部骨格構造が高い強度(Elasticity)を示した. 3.荷重方向に対して水平に走る内部骨格構造を有するものが最も高い強度を示し,内部骨格構造の連続性,断裂の有無が骨強度に大きく影響していることが解った. これらの結果より,BMDと骨強度とは必ずしも相関していないことが解った.そして,骨強度と骨構造とは密接に関係しており,BMDに偏重することなく,骨構造も加味した骨強度という概念で骨粗鬆症等の診断や治療効果判定を考慮することの重要性が示唆された. さらに,骨格二値画像の定量化にstar volume解析を応用した結果,骨格成分の量,骨格構造の連続性や断裂を表す特徴量として有効であることが示唆された. また,モルフォロジカルフィルターをパノラマデジタル画像へ応用したところ,骨粗鬆症患者の顎骨骨格パターンの変化を視覚的にとらえることができた。
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