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1998 年度 実績報告書

デンタルプラークにおけるバイオフィルム形成機構の解析とその抑制法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 09470422
研究機関大阪大学

研究代表者

恵比須 繁之  大阪大学, 歯学部, 教授 (50116000)

研究分担者 木ノ本 善史  大阪大学, 歯学部, 助手 (10252694)
野杁 由一郎  大阪大学, 歯学部, 助手 (50218286)
キーワードデンタルプラーク / バイオフィルム / バイオフィルム形成細菌 / 走査免疫電顕法 / グリコカリックス / Modified Robbin's Devic
研究概要

歯周ポケット底部に位置するプラークフリーゾーンにおけるバイオフィルム形成細菌の同定を目的として,重度成人性歯周炎に罹患し抜去された歯を,Porphyromonas gingjvalis.Campylobacter rectusおよびActinomyces viscosusに対する特異抗体を用いた走査免疫電顕法により検索した。2次電子像観察にてプラークフリーゾーンの形態的な検索を行ったところ,細菌がわずかながら散在性に存在し,糸状菌,桿菌やスピロヘータが優位に観察された。糸状菌の菌体表層には線維性の網状構造物がみられ,その物質を介して他の細菌種と凝集していた。また,長・短桿菌の中には不定形のフィルム様構造物に被覆され凝集している小コロニーが観察された。反射電子像観察では,P.gingivalis,C.rectusおよびA.viScosusはいずれもプラークフリーゾーンにおいて検出された。P.gingivalisとA.viscosusはglycocalyx様のフィルム状外皮に被覆され検出されたが,C.rectusの菌体表層にはglycocalyx様の構造物は観察されなかった。
以上の結果をもとに,A.viscosusのin vitro系におけるバイオフィルム形成実験を行った。緑膿菌バイオフィルムの形成実験に使用されるModified Robbin's Deviceを用い,試料室内にタイプIコラーゲンコーティングプレートを置き,培養液を一定速度で環流させ3,7,14,21あるいは28日目にプレートを取り出し,走査型電子顕微鏡によりバイオフィルム形成過程を形態学的に検索した。3日目では,プレート上にA.viscosusの付着は認められたが,菌体表層にglycocalyx様の構造物はみられなかった。7日目では,散在性に増殖したA.viscosusの菌体表層にフィルム様の構造物が観察され,14日目以降では成熟したバイオフィルム形成がみとめられ,本実験がA.viscoosusによるバイオフィルム形成モデル系として利用できることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 野杁由一郎ら: "ヒトの歯周ポケット底部におけるバイオフィルム形成細菌の検索" 日本歯周病学会会誌. 40秋季特別号. 100 (1998)

  • [文献書誌] 野杁由一郎ら: "デンタルプラーク細菌の定着・増殖における細菌バイオフィルムの関与" BACTERIAL ADHERENCE研究会講演録. 12. In press (1999)

  • [文献書誌] Noiri Y et al: "Identification of biofilms forming bacteria in the plaque-free zone" Journal of Dental Research. 77special Issue B. 997 (1998)

  • [文献書誌] Noiri Y et al: "Initial biofilm fomation in human titanium implant sulcus" Journal of International Conference on Oral Biology. 15・Abst. 28 (1998)

  • [文献書誌] 恵比須繁之: "細菌性プラークとプラークコントロール" 大阪インプラント研究会会誌. 12. 14-18 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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